要約

  • 2026年第2四半期のグループ売上高は5億8,230万ドル(前年同期比454%増)。うち AI クラウドが約5億7,500万ドルで、グループ売上高の約98%を占めた。ARR は6月末時点で30億ドル(前年比598%増)だが、四半期の最終月の売上高を12倍する年換算値と定義されている。
  • 電力は契約(土地と電力の契約で確保した電力)・接続(完成し設備の整ったデータセンターに接続された電力)・稼働(設置済みの IT 機器が消費し収益を生み得る電力)の三段階に区分される。2026年末の接続電力見通しは800MW〜1GW、契約電力目標は5GWに引き上げられたが、期末時点の接続・稼働電力量は開示されていない。
  • 第2四半期の設備投資は約57億ドル。通期見通しは200億〜250億ドルで、同期の売上高を大きく上回る。経営陣は、接続電力が収益を生むまでに数か月かかると説明し、接続済みの800MW〜1GWは2027年上半期を通じて稼働するとの見方を示した。

決算の輪郭

第2四半期のグループ売上高は5億8,230万ドルで、前年同期の1億510万ドルから454%増えた。上半期では9億8,130万ドル(前年同期は1億5,600万ドル、529%増)になる(決算発表)。AI クラウドの売上高は約5億7,500万ドルと前年同期比514%増で、グループ売上高の約98%を占める(第2四半期の株主レター)。調整後 EBITDA は2億3,620万ドル(前年同期は2,100万ドルの損失)。継続事業の純損失は1億9,040万ドルで、前年同期は5億250万ドルの純利益だった(同決算発表の損益計算書)。

ARR の定義と推移

ARR は「四半期の最終月の AI クラウド売上高を12倍した値」と定義されている。6月末時点で30億ドル、前年比598%増、3月末の19億ドルから56%増えた(第2四半期の株主レター)。3月末時点の19億2,000万ドルは前年比674%増、2025年12月末の12億5,000万ドルから54%増だった(第1四半期の株主レター)。これは1か月分の売上高の年換算であり、経常的な収益でも、契約済みの受注残でもない。電力の数字と並べて読むときには、この定義が効いてくる。

電力の三段階

供給能力は三つの区分で説明される。契約電力は土地と電力の契約によって確保された電力、接続電力は完成し設備の整ったデータセンターに接続された電力、稼働電力は設置済みで稼働中の IT 機器が消費し、収益を生み得る電力である(第1四半期の株主レター、米国証券取引委員会に提出された同レター)。

第1四半期時点で契約容量は3.5GW超、うち自社保有分が75%超を占め、年末の契約電力見通しは4GW超へ引き上げられた。接続電力の見通しは800MW〜1GWに維持された(第1四半期の株主レター)。第2四半期には契約電力目標が年末までに5GWへ引き上げられ、前四半期に示した4GW超から上振れした(第2四半期の株主レター)。5GWのほとんどは今後2年半〜3年半程度で立ち上がり、2027年以降は年1GW超を投入する計画である(ロイターの報道)。

経営陣は決算説明会で、2026年の接続電力800MW〜1GWという見通しを維持すると述べた(説明会の書き起こし)。しかし、期末時点の接続電力量や稼働電力量そのものは開示されていない。契約5GWと接続見通し800MW〜1GWを単純に割って変換率を算出することはできない。開示されているのは見通しと拠点目標、長期の投入計画だけである。

設備投資と資金調達

第2四半期の設備投資は約57億ドルで、GPU および GPU 関連ハードウェアの購入とデータセンター拡張が主因だった。有形・無形固定資産の取得額は第2四半期が56億5,740万ドル、上半期が81億3,030万ドルに上る(決算発表のキャッシュフロー)。第1四半期の設備投資は約25億ドルだった(第1四半期の株主レター)。通期の設備投資見通しは200億〜250億ドル、グループ売上高見通しは30億〜34億ドルで、投資額が売上高を一桁上回る(説明会の書き起こし)。

資金面では、第2四半期の営業キャッシュフロー(継続事業)は22億4,610万ドル、上半期は45億410万ドル。前年同期はそれぞれ1億6,770万ドル、3億5,200万ドルの流出だった(決算発表)。6月末の現金及び現金同等物は80億4,210万ドル(2025年12月末は36億7,810万ドル)。非流動の負債は84億9,900万ドル(同41億320万ドル)で、前受収益は流動が9億7,940万ドル、非流動が49億9,580万ドル計上されている(決算発表の貸借対照表)。

資本調達では、随時発行プログラム(ATM)を通じてクラスA株1,270万株を加重平均約224ドルで発行し、総額約28億ドルを調達した。6月末時点で1,230万株が残る。7月には契約済みキャッシュフローを担保とする7億7,500万ドルの資産担保融資を実施した(説明会の書き起こし)。同社は2026年に90億ドル超の顧客前払いを見込み、第2四半期に成立した契約の約70%に前払いが含まれ、関連する設備投資の50〜60%を賄う規模だったと説明している(第2四半期の株主レター)。

接続から収益までの順序

経営陣は、接続電力が収益を生むまでの手順を、データセンターの試運転、ネットワークの構築、クラスタの構築、プラットフォームの配備、顧客の受け入れ、そして収益計上、という順に説明した。これには数か月かかり、2026年末までに接続される800MW〜1GWは2027年上半期を通じて稼働するという(説明会の書き起こし)。

需要については、容量を立ち上げるそばから売れており、2027年分の容量は現在の条件で全量を売ることもできたが、あえて保持していると述べている(第2四半期の株主レター)。同社自身の説明に沿えば、契約から収益への律速点は需要ではなく、試運転と立ち上げの実行速度にある。

拠点と所有形態

第2四半期には英国、エストニア、フィンランドで追加拠点を確保し、米国では自社所有の AI ファクトリーの一部で建設が進む(第2四半期の株主レター)。フィンランドではマンツァラ(Mäntsälä)に2つ目のデータセンターを計画し、2027年から最大70MWを立ち上げ、同国での総容量は3拠点で455MWになる(DataCenterDynamics の報道)。第1四半期時点で契約容量の75%超を自社保有が占め、自社施設は5拠点で3GWを供給すると説明されている(第1四半期レターの米国提出版)。ただし、所有と賃借の立ち上げ期間・稼働率・コストを比較した定量開示はなく、資本効率の高いモデルという説明は公開ベンチマークを伴っていない。

開示されていないこと

  • 期末時点の接続電力・稼働電力量(MW)。開示されているのは2026年の見通し、拠点目標、長期の投入計画だけで、契約から稼働への実測変換率は計算できない。
  • ARR は1か月分の売上高の年換算であり、監査済みの経常収益でも、契約済みの受注残でもない。
  • 前払いの比率70%と設備投資の50〜60%という数字は第2四半期に成立した契約に限られ、90億ドル超という2026年の前払い見込みは受領済みの現金ではなく見通しである。
  • 所有と賃借の比較は非開示。四半期の数値は未監査の会社発表であり、説明会の発言は第三者による書き起こしに基づく。

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