要約

  • KaliteNetは速度測定と地図を公開している。ただし、測定回数は利用者数ではなく、地図の表示も全世帯の通信体験を表すわけではない。
  • 公式サイトは2027年1月から年次報告を公表すると予告している。過去の入札資料にある半年ごとの測定計画とは、別の予定として読む必要がある。

回線を契約する前に知りたいのは、広告の数字だけではない。自分が使う場所で、どのサービスなら使いやすいのか。ところが、自分の端末で速度を測れるのは、たいてい契約した後だ。

モーリシャスのKaliteNetは、その順序の隙間を埋めようとしている。すでに使っている人の測定を集め、これから選ぶ人にも役立つ比較にする。ICTAの案内によれば、nPerf SASが開発した無料アプリで、ウェブのほかApple、Google、Huaweiのアプリストアから利用できる。アプリが無料でも、測定に使うモバイルデータ通信まで無料とは限らない。

地図で分かること、まだ分からないこと

10月19日に公開サイトを確認すると、ダウンロード速度やネットワークのカバー状況を選ぶ地図があり、事業者も切り替えられた。Emtel Mobileを選ぶと、島の上に色付きの印が表示された。

これで事業者の優劣を確かめたことにはならない。印のない場所にサービスがないとは言えず、印の多い場所に住む全員が快適だとも言えない。地図には観測が載っているのであって、一軒ずつの利用体験が網羅されているわけではない。

同じスマートフォンで何度も測れば、記録は増える。しかし、測定に参加した人まで増えるわけではない。速度制限のある契約、家庭内のWi-Fi、端末や測定先のサーバーも結果に関わる。違う条件の数字をそのまま並べると、選びたいサービスとは別のものを比べてしまう。

利用者の「遅い」を、どう説明するか

こうした論点は開発前からあった。2023年1月の提案は、利用者による測定と事業者比較を構想した。同年5月の意見募集結果には、Mauritius Telecom Ltd.とCellplus Mobile Communications Ltd.の共同意見、Emtel Ltd.、Ookla LLC、匿名のRespondent Aという4件が記載されている。

地域や時間帯の偏り、繰り返し測定、契約上の上限、プライバシーが議論された。これは設計段階の懸念であり、現在のKaliteNetに欠陥があるという調査結果ではない。

ICTAは、利用者が実際に受け取る端から端までの通信体験を重視しつつ、契約の制限を明示し、比較できる条件を整える方針を示した。必要なら他の測定方法も補う。遅い結果を捨てるのでも、すぐに事業者全体の評価へ広げるのでもなく、何を測った遅さなのかを説明する考え方だ。

次の目印は2027年1月

公表資料のページは現在、サービス品質と利用体験の報告を2027年1月から毎年公開すると案内している。確認時、そのページに報告書のダウンロードはなかった。それだけで、他にも存在しない、あるいは公表が遅れているとは判断できない。

過去の計画には別の期間が出てくる。2023年案は1年間の試行を提案したが、2024年の入札資料は3か月の試行と3年間の運用を指定した。全国測定は半年ごとに2か月間、実施時期は未定という設計だった。測定を行う周期と、年次報告を出す周期は同じではない。

入札では固定・移動回線、手動・自動テスト、統計手法やサーバー選定の説明も求めた。専用の測定地点で得る結果は、利用者が提供する結果と分ける必要がある。要求事項があることと、すべての実装を確認できたことは区別したい。落札通知で確認できるのは、2024年9月11日にnPerf SASが34万7,700ユーロの導入契約を受けたことだ。

担当省の発表は2026年5月11日の公開を記録している。5月15日の閣議概要は、ダウンロード、アップロード、応答時間、閲覧、動画のテストを挙げ、集めた結果を地域別の図表に使うと説明した。

販売されるプラン、測った性能、サービスが届く地域、利用者が体験した品質。この四つを読み分けられる報告なら、契約前の判断に役立つ。期待したいのは、ただ速さを競う表ではなく、その数字が自分の回線選びに関係するかまで分かる報告だ。

編集方針の参考:BTWの役割についてのLu Hengの文章。モーリシャスについての独立した事実資料ではない。