要約

  • 公開名簿から名前が消えても、退会、更新停止、資格停止、契約終了、誤掲載の訂正、公開同意の撤回のどれなのかは分からない。
  • 会員資格、公開表示、組織を代表する権限は別々の記録である。掲載終了時には、それぞれの変更内容と発効日、訂正経路を残す必要がある。

公開名簿は単なる紹介欄ではなく、組織が現在の関係を表明する面である。NRS の会員案内は Network Member を、インターネット番号資源を保有し、資源ガバナンス機関で有効な会員資格を持つ組織として説明している。Network Member Listは、NRS コミュニティの一員として認められた組織を掲げる。閲覧者が掲載を「現在も有効な制度上の主張」と受け取るのは自然だ。

ところが、その主張が終わる場面には語彙がない。行を削除しただけでは、会員が自ら退会したのか、年次更新をしなかったのか、NRS が停止または終了したのか、掲載自体が誤りだったのか、あるいは公開だけを望まなくなったのか判別できない。原因が違えば、責任の所在も発効時点も異なる。

現行の会員規約は、こうした区別が実務上必要であることを示す。第 2.4 条には、会員からの書面通知による終了、一定の場合の NRS による停止・終了、通知がない場合の年次更新、終了時の便益返還がそれぞれ記されている。一方、今回確認した公開名簿の可視部分には、これらの状態や掲載日、掲載終了日はない。これは公開面についての観察であり、内部記録の不存在を意味しない。

さらに、代表権は会員資格から切り離さなければならない。RIR 関連事項の受託代表ページは、掲載組織が委任状を提供したと説明している。会員であること、名称の公開に同意すること、代表権を与えることは同一の行為ではない。公開をやめても会員資格は続き得る。会員資格が終わっても、別の委任文書には正式な終了手続が残る場合がある。委任だけが先に撤回されることもある。

したがって、検証可能な名簿には三つの連動する記録が要る。会員資格、公開表示、そして存在する場合の代表権である。掲載終了イベントには、申請権限を持つ主体、発効時刻、限定された理由区分、三記録の変更後状態、管理者の受領確認、訂正手段を含める。公開画面に私信を載せる必要はない。「掲載終了」と日付だけを示し、詳細な証拠を非公開の監査記録に置くことができる。

これは、完全削除か永久掲載かという誤った二択も避ける。説明責任は、元会員の名称を永遠に表示することではない。過去に何を主張し、いつまで有効とし、誰の権限で変更したかを後から確かめられることだ。現在の表示を終えながら、過去の事実を比例的に保持できる。