要約

  • Internet SocietyのBoardは2026年7月15日、Willis Towers WatsonとCompensation Committeeの提言に依拠し、Senior Executive Compensation Philosophy Policyを全員一致の書面同意で承認した。
  • 決議は方針がExhibit Aに添付されていると述べる。8月29日時点で、確認したe-voteページにもGovernance & Policies索引にも、その本文やリンクはなかった。
  • 過去の委員会報告と2024年Form 990は従来の手続きと事後的な支給情報を示すが、2026年の現行規則にはならない。版、比較基準、権限、例外と税務年度を結ぶ記録なら、個人の評価資料を公開せずに説明責任を保てる。

採択の事実だけでは、適用規則を再現できない

Resolution 2026-15は、誰が何を決めたのかを簡潔に示している。Boardは上級幹部向け報酬哲学の方針案を検討し、Compensation Committeeの勧告を受け、その採択がInternet Societyと使命の利益になると判断した。Willis Towers Watsonの提言にも依拠したと明記されている。承認日は7月15日で、方式は全員一致の書面同意だった。

続く一文は、方針を「attached as Exhibit A」として採択したと記す。さらにofficersに対し、同意書をBoardの議事記録に保存し、決定を実施するよう求めている。ここまで読めば、決議から添付資料へ移り、採択された規則を確認できるはずだ。

ところが、この記事のために8月29日に確認した公開ページでは、Exhibit Aは表示もリンクもされていなかった。Internet Societyが定款、設立・免税関係文書、Boardの13の方針・手続きをまとめたGovernance & Policies索引にも、新方針は載っていない。

この確認から言えることは限定される。添付資料が存在しなかったとは言えない。trusteeや職員が持っていないとも、別の限定ページや請求手段で得られないとも言えない。確かなのは、採択記録と公開索引をたどっても、採択対象の本文に到達できないという現在の公開状態である。

個人情報の全面公開を求めているわけではない。雇用契約、目標、評価、商用の給与調査には守るべき情報がある。だが、方針の版、適用範囲、発効日、決定主体、通常ルールと例外の境界まで非公開である必要はない。それらがなければ、通常の適用と正規の例外、旧版による判断を外から区別できない。

以前から仕組みはあった。新しい設定値が分からない

報酬哲学そのものは新設ではない。2019–2020年のCompensation Committee報告は、Internet Societyの報酬哲学と戦略の改訂版を委員会が承認したと記録している。2021–2022年の報告は、President/CEOを評価し、変動報酬を含む総報酬を承認し、Section 4958上のDisqualified Personsに当たる幹部についてCEOの評価を審査し、市場比較と翌年の目標を扱ったと説明する。独立した報酬コンサルタントも市場情報を提供していた。

現行の委員会憲章は権限配分をさらに明確にする。委員会は翌年の報酬哲学と戦略、Disqualified Personsの一覧、比較可能な組織と業務の市場データ、CEOの目標と実績、他の幹部に関する評価と提案、報酬・福利厚生制度全体の市場妥当性を検討する。

利益相反にも境界がある。職員とその家族は委員になれない。Boardまたは委員会の職務に付随するものを除き、委員はInternet Societyから報酬を受け取れず、独立した判断を妨げる関係を持ってはならない。CEOやその指名者は招かれて議論に加わることはできるが、委員にはなれない。

これは重要な統制設計である。しかし、7月に採択された方針の内容ではない。比較対象の選び方、市場内で狙う位置、固定報酬と変動報酬の考え方、世界各地の職務の扱い、例外を認める権限、見直し時期が変わったかどうかは分からない。古い報告から新方針を推測すべきではない。

4月には別の変更もあった。CEOの承継とリーダーシップ継続の機能がCompensation Committeeへ移され、独立したLeadership Continuity Committeeは廃止された。同じ委員会が承継と報酬を扱っても、両者の判断根拠は同じではない。人材の連続性を守る責務は、特定の報酬を自動的に正当化しない。

Form 990は後から別の分類で結果を示す

2024年のForm 990は、従来の運用をかなり具体的に語る。Internet Societyは、組織内外の公平、公正で競争力のある報酬、客観的な能力評価を目標に掲げた。各職務の基準を毎年更新し、米国内の職員には複数の調査、世界の職員にはWillis Towers WatsonとBirches Groupのベンチマークを使うと説明した。

同申告によれば、Compensation CommitteeはCEOとofficersの比較データを審査し、Disqualified Personsを承認し、CEOの達成目標を定め、年末に実績を評価し、決定した変動報酬をCFOに支払わせる。Schedule Jは、対象者ごとに基本報酬、賞与・インセンティブ、その他の申告報酬、退職・繰延額、非課税給付を分けて示す。

この開示は有益だが、時間軸が違う。税務申告は期間終了後、法定の区分で実績を記録する。ある年に獲得した報酬が別の年に支払われたり、関連組織分が別行に現れたりする。数字が公開されたからといって、その判断に適用された方針の版、比較データの日付、市場内の目標位置、例外手続きまで分かるわけではない。

したがって、将来のForm 990も2026年方針の代わりにはならない。税務開示は「何がこの申告区分に入ったか」を示す。方針は「判断時に何を規則としたか」を定める。両者は接続すべきであり、置き換え合うものではない。

Willis Towers Watsonは、2024年申告では世界向けベンチマークの供給元として、2026年決議では提言者として現れる。この継続性は助言業務の記録を求める理由になるが、不当な影響力の証拠にはならない。採択したのはBoardであり、憲章上の審査を担うのは委員会である。公開記録にないのは、助言の具体的な委託範囲と採択内容との対応だ。

規則を見せても、個人資料は守れる

報酬の透明性は「全公開か、全面非公開か」の二択ではない。Exhibit Aに保護すべき情報がなければ全文を公開できる。機密部分があるなら、承認版に結び付いた編集済み文書や版管理された要約を出せばよい。

要約には、対象職務、比較データの種類と基準日、比較対象の選定原則、報酬の構成区分、決定権者、例外の手続き、見直し周期を含められる。商用調査の個別行や比較対象の全名称は伏せられる。

実施記録も同じである。ある判断が方針内だったと示すのに、個人の評価票は要らない。例外なら、理由の類型、承認主体、期限だけを公表できる。後の税務申告は、元の判断を上書きせず、新しい状態として追記すればよい。

方針から支給までを一本の記録にする

必要な記録は、方針名、版、採択決議、採択日、発効日から始まる。対象範囲はCEO、その他のDisqualified Persons、それ以外の職員を分ける。次に、ベンチマークの系統と基準日、比較対象を選ぶ原則を記す。専有データの値そのものは不要である。

権限欄には決定機関、参加者、忌避、定足数を置く。状態は「通常方針内」「承認済み例外」「是正待ち」「新しい版に置換」のように明示する。例外には限定された理由分類、承認権者、期限または再審査の条件が必要だ。

対応するForm 990とSchedule Jが公開された時点で、申告年、構成区分、年度差や関連組織の行との対応を追記する。訂正は履歴を消さずに積み重ねる。

これは公衆に個人の価値を査定させる仕組みではない。識別可能な規則を、権限のある機関が適用したと検証できるようにする仕組みである。採択の事実はすでに公開された。次に必要なのは、採択された規則の身元を公開記録へ接続することだ。

出典

  1. Internet Societyの全員一致書面同意による決議
  2. Internet SocietyのGovernance & Policies索引
  3. Internet SocietyのCompensation Committeeと憲章
  4. Internet Society Board Meeting No. 194
  5. Internet Societyの改訂・再制定定款
  6. Compensation Committee 2019–2020年報告
  7. Compensation Committee 2021–2022年報告
  8. Internet Societyの2024年Form 990公開版
  9. IRSのForm 990説明書
  10. IRSのSchedule J説明書