要点
- A/RES/80/173はIGFを常設化するとともに、報告、参加拡大、持続的な資金調達について具体的に定めた。
- 議論を政策につなげる経路があっても、IGFがインターネットの規制機関や紛争の裁判所になるわけではない。
カレンダーには、もう次の予定が載っている。Internet Governance Forum(IGF)の第21回年次会合は、2026年12月14日から18日まで、ナイロビのKICCで開かれる。10月25日の時点では、まだこれからの会議だ。
常設化後の会合という節目には注目が集まるだろう。だが、その意味を考えるなら、閉幕後にも目を向けたい。会場で出された提案を誰が整理し、どこへ送り、受け取った側がどう扱うのか。会議を毎年開くことと、議論を積み重ねることは同じではない。
行き先のある報告に
国連総会が2025年12月17日に採択したA/RES/80/173は、第99項でIGFを国連の常設フォーラムとした。事務局は引き続きUNDESAに置き、国連の予算手続きに従って適切な人員と資源を確保し、安定的に支えるとしている。
重要なのは、その前後だ。第98項は、運営方法、参加、機関間の連携、成果の改善についてCSTDに毎年報告するよう求める。第100項は、年次会合と会期間の活動で得られた成果を関連する国連機関や過程に伝え、受け手がそれを考慮するよう求めている。
これなら、一つの提案について「会議で話題になった」の先を追える。どの文書に載り、誰に届いたのかを確かめられるからだ。ただし、考慮することと採用することは別である。受け手に結論を強制する仕組みができたわけではない。
第101項と第102項には、途上国や十分に代表されていないコミュニティーの参加拡大、会期間の活動強化、国・地域単位の取り組みへの支援も盛り込まれた。常設化を単なる期限の撤廃と捉えると、こうした仕事が見えなくなる。
会議のない月にも費用はかかる
報告や調整を担う事務局には、会議がない間も仕事がある。IGFの公式説明は、ジュネーブの事務局を支える資金として、UNDESAが管理する任意拠出の多者間信託基金を挙げる。一方、年次会合の開催・会議施設の費用は開催国政府が負担するという。
10月25日に確認した同じ説明には、第99項を実施するための内部的な取り決めを検討中ともある。これは機関が公表している説明であり、すべての入出金を検証した会計報告ではない。
決議第103項は、事務総長がUNDESAの支援を受け、第80会期中に持続可能な資金調達案を提出するよう求めている。案の提出要請だけで予算が確定したとはいえない。今回確認した資料から、案が提出されていないと断定することもできない。
支援の具体例はある。Number Resource Organization(NRO)の9月22日の発表によれば、IGFへの拠出は10万ドルに増額され、8月28日にUNDESAが正式に受け入れた。五つの地域インターネットレジストリを調整する組織からの支援だ。ただし、毎年の継続拠出なのか、全体の必要額のどれほどを賄うのかは、この発表では示されていない。
権限を増やさずにできること
IGFの役割は、拘束力がないからといって小さくなるとは限らない。技術の運用で生じる問題を政策関係者に伝え、異なる立場の人が同じ論点を理解する場になり得る。
その一方で、Tunis Agenda第77項は、監督機能や既存の機関の代替、日常的な技術運用を明確に除外し、非拘束的な過程と定めている。第72項にあるのは、政策対話、情報交換、勧告、能力構築などだ。IGFでアドレス政策を論じても、IGFがアドレスを割り当てたり、レジストリの判断を取り消したりする権限が生じるわけではない。
また、新決議は2035年のWSIS全体のレビューを求めている。これはIGFの新たな終了期限ではなく、より広い取り組みを検討する機会である。
ナイロビの会議が終わった後、提案の行方を一つでも追えれば、常設化の意味は具体的になる。報告書が届き、検討され、次の議論につながる。その作業に必要なのは、常設という肩書だけでなく、続けて働ける人と、その人を支える資源だ。
2026年10月25日訂正:旧版は決議の規定本文と正確な採択日を確認しておらず、変更を存続期間に限定しすぎていた。本稿は採択された決議に基づき、報告、参加、資金調達の規定を反映した。元のURLと初回公開日は維持する。
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