要約

  • 2026年7月26日09時05分(UTC)、Internet Society理事会の第196回会合は閉会予定だった。5分後のF36では、財団理事会として改めて開会し、利益相反を確認し、役職と委員会を別に選ぶ日程が組まれた。
  • 共通名簿は定款上の原則である。唯一のメンバーであるInternet Societyが別の決議をしない限り、Internet Societyの理事が財団理事を兼ねる。
  • 同じ人々の前には三つの行為経路がある。Internet Society理事会、財団理事会、そしてInternet Societyが財団の唯一のメンバーとして権利を行使する経路である。
  • 行為資格レシートは審議を三重化しない。法人、根拠規定、会合または書面同意の番号、定足数、採決、利益相反、予算・資産の帰属、執行役員、相手側の関連決定を別々に記録する。

09時05分と09時10分の間に起きること

ウィーンで開かれた2026年の年次会合は、組織図より分かりやすく境界を示している。

Internet Society理事会第196回会合の議題は、7月26日09時05分に「ISOC Board Meeting」の閉会を置いた。その直後にFoundation Board Meetingが続くとして、別サイトの別議題へ案内する。F36の開始は09時10分である。

理事は席を立つ必要がなかったかもしれない。戦略、財務、リスクについて得た理解を持ったまま次の議題に移れる。同じ理事を置く利点はここにある。二つの組織の間にある依存を、遅れて届く説明資料だけに頼らず把握できる。

それでもF36は第196回会合の再開ではない。財団理事会として開会し、欠席と利益相反を改めて確認する。財団理事会の議長を選び、他の役職を選び、F2026-Xという財団用の決議で財団理事会の委員を任命する。その後に財団の活動、CFO、財務委員会、戦略諮問委員会を扱い、財団理事会として閉じる。

Internet Society側も先に、自らの利益相反確認、議長・役職選挙、委員会任命、財務と企業リスクを予定し、ISOC理事会を明示的に閉じていた。

人の連続性と、機関の連続性は同じではない。

ただし、議題から最終結果を作ってはならない。8月31日の調査時点で、第196回会合とF36の承認済み議事録は、それぞれの索引にまだ掲載されていなかった。議題が証明するのは予定された意思決定面と提案文である。実際の出席、棄権、利益相反、採決、確定番号は議事録を待つ必要がある。7月31日の発表は新理事の就任と議長を確認できるが、非公表の審議を補うものではない。

同じ理事を置くこと自体が制度である

財団の現行定款はInternet Societyを唯一のメンバーとする。さらに、そのメンバーが別段の決議をしない限り、メンバーの理事を財団理事とする。財団理事の在任も原則としてInternet Society側の理事在任に連動する。

公開されているBoard Member Agreementも二つの職務を明記する。Internet Society理事会の集団責任として、使命、CEO選任、戦略・組織計画、受託者・財務監督、事業と予算、理事会評価を挙げ、その同じ機能を財団理事会として果たすと記す。個人の責任にも同じ一文がある。

7月に議長となったBrian Habermanは、8月のQ&Aで共通理事会の効用を説明した。二つの組織でありながら使命は密接で、共通の理事が交差と依存を認識し、双方を見渡して執行部を導けるという。関係を「共生」と表現する一方、各法人には固有の使命があるとも述べた。

このQ&Aには、見解がInternet Societyの公式見解とは限らないという注意書きがある。法的根拠ではなく、設計上の便益についての本人の説明として使うべき資料だ。それでも、戦略を担う組織と支援型の慈善財団が共通の視野を持つ合理性はよく分かる。

見渡せる範囲が共通でも、行為能力が一つになるわけではない。

同じ氏名が三つの資格で現れる

第一はInternet Society理事会である。Internet Societyの現行定款は、その業務を同理事会に委ね、定足数と通常の多数決を定め、全員一致の書面同意を認め、議事録と委員会を設け、Internet Society自身の予算を理事会承認に付す。この資格の理事はInternet Society全体の利益に奉仕する。

第二は財団理事会である。財団定款は、財団の業務を財団理事会に委ねる。会合、採決、全員一致の書面同意、議事録、委員会、役員は財団のものとして規定される。年次会合では財団理事会の議長を最初に選ぶ。透明性ページも、理事は財団全体の利益に奉仕すると説明する。

第三はInternet Societyが財団の唯一のメンバーとして行為する資格である。メンバーには議決権があり、財団の記録に保存される書面同意で行為できる。留保された権利には、重大な基礎的取引と財団の年次予算の承認が含まれる。予算手続は財団理事会が定め、メンバーが承認する。

一つの方針に二つの法人行為が必要になり得るのはこのためだ。財団理事会が案や手続を決め、Internet Societyがメンバーとして留保承認をする。同じ人が同じ資料を読んでいても、一つ目の採決が二つ目の採決を兼ねることにはならない。

資料は共有できる。行為番号は共有しない。権限は顔ではなく、その時点で行使する役職と拘束される法人に付いている。

承認済み議事録はすでに二本の履歴を残す

現行の公開記録が、二つの理事会を一冊に混ぜているわけではない。調査時点で最新の承認済みの組合せは、むしろ分離の実例である。

Internet Society第194回会合は2026年4月18日にロンドンで開かれた。議事録はInternet Society理事会として開会し、理事名、利益相反、組織の実績、財務、委員会、企業リスク、Internet Societyの決議を記録する。

翌19日のF35は、ほぼ同じ理事名簿を持ちながら、財団理事会として改めて開会する。利益相反も改めて問う。扱うのは財団の運営、慈善事業、助成、監査前の財務結果、共同基金であり、財団理事会として別に閉会する。

二つの議事録は別のサイトと番号で公開される。財団決議にはFが付く。助成の承認は財団の資金とプログラムを特定し、委員会任命は財団理事会の行為だと明記する。この書き分けによって、後から権限を再現できる。

役員、帳簿、補償についても規定は別である。Internet Societyの条項は、対象者がInternet Societyの最善の利益にかなうと合理的に信じたかを問う。財団条項は財団の最善の利益を問う。両利益は対立している必要はない。財団はInternet Societyを支える組織であり、目的は意図的に整合している。だからこそ、整合する二つの利益として名前を残すことができる。

連続会合で見落としやすい三点

第一は利益相反である。Internet Societyの一般戦略では問題のない理事が、次の財団会合で特定の助成先、業者、使途制限資金、補償案件に関係することはあり得る。二度目の確認は儀式ではなく、別の法人利益について再評価する機会である。

第二は定足数である。09時05分から09時10分の間に一人が退出すれば出席状態は変わる。同じ名簿でも、招集された理事会ごとに開会と採決を記録しなければならない。

第三は予算である。Internet Societyの予算は同理事会が承認する。財団予算には財団理事会の手続と、唯一のメンバーの承認権が関係する。「理事会が予算を承認した」という一文だけでは、どの理事会、どの予算、どのメンバー行為か分からない。

共通役員も同じ問題を持つ。公開情報では一人のPresident & CEOが両組織に仕え、財務・法務担当者も双方の記録に現れる。合理的な兼務であっても、執行指示にはInternet Society、財団、メンバー同意のどれに基づくかを記す必要がある。

行為資格レシート

レシートの冒頭は資格でなければならない。Internet Society理事会、財団理事会、唯一のメンバーとしてのInternet Societyのいずれかを選び、対象法人と、どの法人利益に属する行為かを記す。

次に、定款、設立文書、委員会規程、契約、方針、メンバー権限などの根拠と、それを実際に行使した記録番号を置く。財団決議はF番号、Internet Society決議は同組織の番号、メンバー書面同意は独立の番号を持つ。依存関係は番号の共有ではなくリンクで示す。

状態も、提案、承認、発効、実施、失効、訂正に分ける。後日の修正は旧記録を消さず、後続状態としてつなぐ。

採決部分には、その資格での定足数、票、利益相反と忌避、予算・資産・事業の帰属、執行する役員を記す。他方の同意、資金、サービス、助言に依存するなら、相手側の具体的な行為とその状態をリンクする。

非公開資料を公開する必要はない。法的秘匿、機密、閲覧制限という証拠状態だけを表示し、助成申請者、職員、業者の個人情報を守れる。誰が決めたかの立証と、見たものを全部公開することは別である。

説明を三回行う必要もない。共通資料を一度示し、質疑を一度行える。二つの法人が決定すれば二つのレシートを作り、メンバー承認が必要なら三つ目を加える。

この資料が示していないこと

一つの採決を三つの行為として扱った証拠はない。定足数欠如、忌避漏れ、無効な予算、資産混同、隠れた移転、自己取引、税務違反、受託者義務違反も確認されていない。二つの議題、別々の議事録、F番号は、むしろ境界を保っている証拠である。

共通理事名簿は独立性欠如の証拠でもない。定款が予定した方式であり、唯一のメンバーは別の構成を決められる。本稿は別名簿を必要条件とはしていない。

広報が単数の「Board」と呼んでも、法人統合にはならない。短い表現は、二つの決定記録への導線で補えばよい。疑いではなく、帰属を強くする提案である。

一つの名簿は全体を見られる。拘束力のある各行為には、一つの資格を残すべきだ。

情報源

  1. Internet Society現行定款
  2. Internet Society Foundation定款
  3. 財団の設立文書
  4. Board Member Agreement
  5. 財団の透明性・ガバナンス
  6. Internet Society第196回会合議題
  7. 財団F36会合議題
  8. Internet Society第194回会合議事録
  9. 財団F35会合議事録
  10. 財団理事会決議
  11. 2026年新理事発表
  12. Brian Haberman議長Q&A