要点

  • University of Hawaiiは、HIXを行政・教育・研究ネットワークの地域内通信を支える交換網と説明している。DRFortressの商用交換網とは別の運営で、相互に接続している。
  • HIXの正式名称と公開の参加ネットワーク情報は確認できる。一方、登録された接続速度から実際の通信量や海底ケーブル障害時の動作までは分からない。

本土との回線が途切れたら、近くの学校とも通信できなくなるのか。ハワイのインターネットを考えるとき、これは速さとは別の大切な問いだ。遠くに届かないときにも、地域の相手とはつながっていたい。

University of HawaiiがHIXについて説明してきた利点の一つが、その可能性を高めることだった。行政、教育、研究のネットワークがハワイ内で直接通信を受け渡せれば、本土向け回線の障害から地域内の接続を守れる余地が増す。全ての学校やサービスが必ず使い続けられるという保証ではない。通信の行き先が近くても、つなぎ方を考えなければならないということだ。

この発想を1994年に提案したのは、大学のInformation Technology Servicesに所属するDavid Lassnerだった。大学が最初に用意したのはルーターと専用アクセス回線。大学の記録によると、1995年半ばの最初のISOC-Hawaiiの会合で関心を集め、その後まもなく運用が始まった。待ち時間や費用を減らすことも大学が挙げた利点だが、この資料から実測の短縮幅は分からない。

それがHawaii Internet Exchange、HIXである。大学は現在も公開している紹介ページで、地域の行政・教育・研究ネットワークのために管理と資金を担うと説明している。従来の一覧に載るHawaii Department of EducationやUS Geological Surveyの名前は、この接続が抽象的な数字だけの話ではないことを伝えている。

2013年に整理された役割

大学が記した沿革によると、HIXは2013年、行政・教育・研究向けに重点を移した。その一方で、商用の交換網を運営するDRFortressとの接続は維持した。機関のネットワークと地元プロバイダーのネットワークを結ぶ接点になる。つながっているからといって、同じ運営主体というわけではない。

当時の構成には、マノアのキャンパスとホノルル空港近くのDRFortressにルーターを置き、両者をギガビットイーサネットで結ぶという記述がある。場所まで分かる具体的な説明だが、サイトのトップページが示す最終更新は2014年4月。この速度を、そのまま現在の構成や実測値として扱うことはできない。

参加する機関には、自分たちの回線を用意する役割もあった。大学の参加案内は、HIXのピアリング接続料を不要とする一方、回線や必要な機器設置費用を参加者負担としている。独自のネットワーク番号を持ち、ハワイを起点とする経路を交換する仕組みだ。近くの相手へ通じる道を共同で用意しても、世界中へ出ていく通信まで無料になるわけではない。

DRFortressは商用サービスをDRFxchangeと呼び、交換設備の冗長化や、二者間・多者間のピアリングを説明している。これは事業者のサービス説明であり、利用者の待ち時間が何ミリ秒減ったかという第三者の測定ではない。

一つの接続記録で全体を語らない

2026年10月21日に確認したPeeringDBの接続情報には、HIXからDRF IXへの接続が一件あり、速度は10,000 Mbps、つまり10 Gbpsだった。IPv4とIPv6のアドレスも登録されている。これはその接続の登録速度であって、流れている通信量でもHIX全体の容量でもない。

この項目は2019年12月18日に作成され、82秒後に更新されている。82秒で設置されたことを意味するわけではないし、その後の更新がないことだけで保守を放棄したとも言えない。ネットワーク自体の情報には、別に2023年の更新がある。

HIXの正体も、略称から推測する必要はない。大学が正式名称とネットワーク番号AS19035を明記し、ARINの登録情報もHawaii Internet Exchangeを示している。別の分類で名称を完全一致検索し、見つからなかったとしても、これらの確認を覆すことにはならない。

参加ネットワークの情報も公開されている。大学の従来の一覧には、Hawaii Department of Education、State of Hawaii、US Geological Surveyなどが到達可能なネットワークとして載る。現在の全参加者を監査した一覧とは限らない。DRFortressが案内するDRF IXの公開ページは、今回の確認時に34ピア、40接続を表示していた。一覧があることと、通信量を測定できていることは別である。

遠くへの道と、近くへの道

もちろん、ハワイから海底ケーブルが不要になるわけではない。Southern CrossのNorth/Southシステムは、ハワイとオーストラリア、ニュージーランド、フィジー、米国西海岸を結ぶ。BW DigitalのHawaikiに関する資料もハワイへの接続と2018年の商用開始を説明している。ただし、ケーブルの経路図はHIXの契約や障害時の切り替え経路を示すものではない。

遠くへ行く通信には海を渡る道がいる。地域の相手と交わす通信には、地域で出会える道がいる。HIXが実際にどれだけの通信をハワイ内に残しているかは、測定が必要だ。その問いを立てるために、既に説明されている組織や接続まで「正体不明」にする必要はない。

訂正(2026年10月21日):HIXの正式な名称と、参加ネットワーク情報が公開されていることを確認した。従来の反対の記述、および接続記録が長く更新されていないことを根拠に管理放棄とした推論を撤回する。