要約

  • RIPE NCCは10月20日、RIPEstatのエンドポイントごとにデータ鮮度への影響が異なるとし、Looking Glassのメタデータには存在するデータのうち最大の遅延が示されると説明した。
  • 18:04:43 UTCの照会に対する最新データの時刻は12:13:37 UTCだった。これは一つのリソースを照会した一時点の記録で、すべてのピアやリソース、APIを表すものではない。

この区別は、RIPEstatが公開データの窓口であると同時に、自身のウィジェットとユーザーインターフェースにもデータを渡すため重要だ。APIは一つの更新周期を持つ単一のデータベースではない。エンドポイントごとに答える問いが異なる。RIPE NCCの文書は、収集頻度、データ保管先の更新時刻、処理の遅れ、収集や処理が通常どおりに動いたか、キャッシュの影響を鮮度の要因として挙げている。正常応答が示すのは、照会に対して応答が返ったということだ。個々の観測がいつ収集されたかまでは示さない。

照会が新しくても、そこに含まれる観測は古いことがある。監視画面にAPIの成功応答、直近の照会時刻、あるいはサービス全体の単一ステータスだけが表示されると、この差は見えにくい。10月20日、RIPE NCCはその点を分けて説明した。RIPEstatのデータに遅れがあり、原因はRIPE Routing Information Service(RIS)の問題で、影響の程度はAPIエンドポイントごとに異なるという。

この告知は、RIPEstatに一つの「データ時計」があるとは述べていない。Looking Glassはピアの多数、すなわち90%を超えるデータが最新の状態にあるはずだとし、メタデータは利用可能なデータのうち最も大きい遅延を示す、と説明している。この二つは両立する。大半のデータが新しい一方で、一部は古いままかもしれない。最大遅延の項目はその裾を知らせるもので、すべての行の古さを示すものではない。RIPE NCCは、あらゆるエンドポイントに共通する鮮度保証や、「最新」と判断する一律の基準を公表していない。

実際の照会は、APIから利用者に見えるものを限定的に確かめる手段になる。18:04:43 UTC、RIPE NCCのLooking Glass APIは正常に応答し、結果はキャッシュされていないと示した。照会時刻は18:04:43、最新データの時刻は12:13:37。差は5時間51分6秒だった。結果には23のコレクター群と345件のピア記録が含まれていた。集約された時刻はエンドポイントが示す鮮度情報であり、345件すべてが同じだけ古かったという証拠ではない。この一回の確認から、別のプレフィックス、別のエンドポイント、あるいはRIPE NCCのネットワーク全体の状態を推定することもできない。

Looking Glassの文書によると、RISのデータフィードは通常、小さな遅れで準リアルタイムに処理される。ただし、応答には異なる時刻がある。ルートが最後に変化した時刻と、最後に確認された時刻だ。両者を取り違えてはならない。結果の遡及期間も指定でき、既定値は24時間で、それより古い記録は返さない。したがって、ある行が結果にない場合、すぐにルートが存在しなかったと判断するのではなく、検索条件と観測期間を確認する必要がある。

上流のRISに関する別の告知は、今回がルーティング障害の報告ではなく、データの流れにおける遅延の問題であることを示す。RIPE NCCは、保管バックエンドからのBVIEWファイル複製に問題があり、RRC25で収集したメッセージの処理にも遅れがあると公表した。その更新時点では、RRC25を除く最新のBVIEWファイルを公開中で、RISの更新ファイルにも遅れが出ていた。RIPEstatの告知はこの上流事象に言及し、エンドポイントによって影響が異なるとした。どちらの告知も、インターネット上のルート消失や顧客の到達性喪失を報告してはいない。

運用上の対策は、照会の時計とデータの時計を併記することだ。RIPEstatを使った判断では、エンドポイント、対象リソース、照会時刻、最新データ時刻、キャッシュの状態、応答が示す対象範囲を残す。そのうえで、データの古さを判断の許容時間と比べる。5時間前の観測は過去の傾向を調べるには十分でも、自動処理には古すぎる場合がある。適切な基準は用途によって決まり、一般的な監視画面の色で決まるものではない。

RIPE NCCの告知が有用なのは、事象を一つの数字に押し込めていないからだ。「90%超」はサービス全体を見るための目安であり、メタデータは最大遅延を示す。利用者が問うべきなのは告知が正しいかどうかだけではない。使おうとしているエンドポイントと観測期間が、目の前の判断に足りるかどうかだ。二つを別々に確かめれば、データの価値を保ちながら、証拠が示せないことまで断定せずに済む。 一次資料:RIPE NCCのRIPEstatインシデント、RIPE NCCのRISインシデント、RIPEstat Data APIの文書、Looking Glassのエンドポイント文書、RIPEstatとは、時刻付きLooking Glass API応答、RISコレクターの文書。