Summary

  • RIPE NCCの2026年11月3日付移転記録は、BNW TECHNOLOGY LTDからNXLayer Ltdへの46.232.195.0/24、256アドレスの移動を示す。受取側RDAPオブジェクトの登録時刻は08:03:08 UTCだ。
  • RIPE RISは前日2日12:00 UTCにこの正確な/24の経路337件を記録し、全件のAS path末尾がAS197758だった。3日07:00の338件も同じ。AS197758はRIPE RDAPでNXLayer名義である。

経路の方が伝票より早かった。11月2日12:00 UTC、RIPE RISのBGP状態には46.232.195.0/24を対象とする337件があり、経路の最後のASNはすべて197758だった。翌3日07:00には338件、やはり全部197758。RIPEの移転一覧がBNW TECHNOLOGY LTDからNXLayer Ltdへの移転日とするのは3日で、受取人の正確なRDAPオブジェクトは同日08:03:08に登録された。AS197758のRDAP名はNXLAYER、登録組織はNXLayer Ltd。公表された二つの時計は、ルート観測が登録の少なくとも約20時間前にあったことを示している。

移ったのは大きな元範囲全体ではない。移転行のoriginal_blockは46.232.192.0/21、2048アドレス。だがtransferred_blocksは中央の46.232.195.0/24、256アドレスだけだ。国コードは双方GB、種別はPOLICY、状態はPERMANENT。移転ファイルが記すのは日付までで、08:03:08はRDAPオブジェクトの登録時刻である。契約締結の秒単位の時刻まで推測してはいけない。

観測を細かく見ると、前日の337件は全件が正確な/24を指し、AS pathは197758で終わる。3日07:00の338件も同じで、RDAP登録まで残り63分だった。11:00を指定した照会が返した実際の状態時刻は09:59:50で、その338件も197758が末尾にいる。AS197758のRDAP登録と最終変更はいずれも5月7日。つまり、後からNXLayer名に変わったASNを過去の観測に当てはめているわけでもない。理由を説明する運用日程は当事者から必要だが、観測の順番はRIPEの資料だけで足りる。

現在のRDAPで旧/21をたどると、形は三つに分かれている。46.232.192.0への照会は.192.0–.194.255、768アドレスでBNW登録。中央の.195.0–.195.255はNXLayerの256アドレス。.196.0への照会は.196.0–.199.255、1024アドレスで再びBNW。768+256+1024=2048。元の/21を欠けも重複もなく覆う。BNW側二つのオブジェクト名はUK-XIFOS-20110217のままだが、登録組織はBNWだ。古いラベルを現在の名義人と取り違えれば、別の架空の移転を作ってしまう。

RDAPの時刻も鋭い。下側の残存部分は08:03:07、NXLayerの/24と上側の残存部分は08:03:08に登録された。元の/21は一秒差で「3+1+4」の/24単位に切られた格好だ。それより前の日、中央の一枚の経路は既にNXLayerのASNを末尾に持っていた。登録作業の時計は揃えられても、RISの古い観測時刻は動かせない。

RDAPだけを見る監査人は08:03を始点にして前日の経路を見落とす。BGPだけを見る監査人はAS197758を見て、移転が既に登録済みだったと早合点する。前者は資源の登録先、後者は観測した経路の起点を示す。移転一覧が対象の256アドレスを特定する。三つを同じ時系列に置いて初めて、何が先で何が後かが分かる。

ここには手続きの失敗を決めつける材料はない。材料があるのは、二つの公的記録の時差だ。RIPE NCCの公開資料はそれを十分細かく残した。2日はNXLayerのASNから見える経路、3日08:03はNXLayerの名前になった/24。番号資源を資産として扱う市場なら、この順序を帳簿の飾りにしてはいけない。

RIPE NCCの原資料