Summary

  • アドレスは宛先を示し、経路はそこへの道順を示す。RIPEの1992年の例は番号をまとめる理由を伝えている。
  • 1993年、83のローカルレジストリが16,871件を割り当て、NCCが157,004件の別種の記録更新を処理した。

二つのネットワークがデータをやり取りするとき、機器には二つの情報が要る。どのネットワークが宛先か、そこへ通信を送るにはどの道順を使うかだ。アドレスは宛先を示し、経路は道順を示す。1990年代初めの欧州では、ネットワークの成長に合わせて両方を整える必要があった。RIPEの1992年報告は、クラスCの番号を8個必要とする仮定上の組織で、実務上の選択を説明する。連続番号なら1本の経路で表せるが、離れていれば経路表の項目が増える。行き先をまとめれば、ネットワーク間の通信を運ぶルーターが追う道順を減らせる。地域のプロバイダーが番号を割り当て、NCCが大きなブロックと例外を調整した仕組みの背景には、この考え方があった。報告は設計を説明しており、障害や混雑の記録ではない。

1993年の合計は別々の仕事を測っている。ローカルレジストリはネットワーク番号を16,871件割り当てた。NCCはこれとは別にデータベースを157,004件更新した。割り当てはネットワークにアドレス空間を与え、更新はネットワーク、経路、DNSドメイン、連絡先に関する運用記録を変更した。運用者はネットワークを調整する際に記録を参照できた。年次報告は各更新と割り当てを対応づけていないため、更新数はアドレスを受け取ったネットワークや組織の数ではない。

二つの仕事、一つの制度

報告書ではNCCが地域レジストリとされている。アドレス空間をローカルレジストリへ委任し、支援し、公平で規則的な割り当てを目指した。ISPが運営するローカルレジストリは、それぞれのサービス環境でアドレスを割り当てた。大規模な申請や適切なローカルレジストリがない組織の申請は、NCCが直接扱った。したがって、一つの事務所がすべてを割り当てる仕組みでも、孤立した地方台帳の集合でもない。ローカルな割り当てを、中央のブロック委任と調整につないでいた。

先行する四半期報告は申請の流れを詳しく述べる。1992年、NCCは番号をISPやネットワーク情報センターに渡し、それらが申請組織へ再割り当てしていた。個々の申請者は通常、利用するサービスプロバイダーに問い合わせることになっていたが、例外的にNCCが直接処理する場合もあった。RFC 1366は背景となる考え方を示す。地域レジストリは地理や言語が異なるコミュニティに対応しやすく、委任先がない地域ではInternet Registryがルート兼デフォルトの登録機関として残る。RFC 1466は1993年にこの枠組みを更新した。

記録は割り当てキューより広かった

同じ年次報告によると、RIPEネットワーク管理データベースはIPネットワーク、DNSドメイン、ルーティングポリシー、適切な連絡先の情報を収めていた。欧州のレジストリ制度が1992年9月に本格稼働すると、データベースのエントリー数はより速く増えた。1993年、NCCは更新処理を再設計・再実装し、「ほぼすべて」の更新を完全に自動化した。この年に処理した更新は157,004件だった。

この数字はアドレス割り当ての件数ではない。報告書は「更新」を一つのオブジェクト、人、申請、または自動化された判断のどれとも定義していない。したがって、16,871件のネットワーク番号割り当てと157,004件のデータベース更新は区別すべきだ。データベースの用途は番号配布より広く、更新が自動化されたことだけでは申請の審査に人が関わったかどうかは分からない。報告書が示すのは処理量であり、エラー率、人件費、審査負担ではない。

ローカル層が重要だった理由

この仕組みは、ネットワークを提供するISPに近い場所で割り当てを行いながら、ブロック委任、支援、例外対応、調整をNCCに残した。一つの事務所がすべてのローカル割り当てを決めなくても、申請の増加に対応できる構造だった。プロバイダーは中央サービスの利用者であると同時に、登録の仕組みを担う側でもあった。

報告書は公平性と規則性を目指す仕組みとして紹介するが、これはNCC自身の説明である。83のレジストリが同じように扱ったこと、却下された申請数、手続きの一貫性は立証されていない。また、欧州で何人がインターネットを使っていたかも分からない。ここに記録されたのは運用モデルと処理量であり、普及率ではない。

歴史から分かるのは、レジストリを「データベースだけ」と見るだけでは運用を説明できないということだ。公開記録は役割分担の上に成り立っていた。ISPがローカルに割り当て、NCCが委任と調整を行い、データベースが複数の運用情報を保持する。1993年には記録更新を大規模に自動化できたが、申請をどの層で処理するかの判断は、人と組織に委ねられていた。

出典:RIPE NCC Annual Report 1993(RIPE-113);RIPE NCC Quarterly Report Issue 1(RIPE-062);RFC 1366;RFC 1466。