要約

  • 英国政府が10月22日に公表した白書は、海底光ファイバーを使う周辺環境の計測に事前通知と安全管理を求める。
  • 既存設備に常設する場合は6カ月前の通知案。外部企業がデータを扱っても、光ファイバーを管理する主体が責任を負う。

海底ケーブルは通信を運ぶだけの管ではなくなった。分布型音響センシングを使えば、船の通過や海底を引きずる錨の振動を光ファイバーから拾える。故障を早く見つける道具だが、海上の動きを記録する道具でもある。英国政府が注目したのは後者の権限だ。

10月22日の白書は、設置前にケーブルの所有者と運用者、計測設備の供給者、データに触れる第三者を届け出る制度を提案する。計測の用途、標本化の頻度、位置分解能、周波数帯、保存期間、読み取り装置の場所も対象だ。海の何を、どの精度で、誰が見られるのか。申告書はその見取り図になる。

既存のケーブルに常設するなら6カ月前。新設ケーブルに初めから組み込むなら、通常は設置の少なくとも12カ月前に当たる計画段階で通知する。施行前から動く設備には、施行後90日以内の届け出を求める案だ。緊急使用に備えた事前申告を済ませれば、起動時の通知は少なくとも72時間前とする仕組みも示した。

責任者は光ファイバーを管理する主体で、データ処理を委託しても変わらない。通常の設置は政府の審査完了を待たず進められる。一方、具体的な国家安全保障上の危険があれば、政府は追加情報や検査を求め、条件を付し、例外的には設置を禁じる構想だ。暗号化やアクセス管理に加え、必要な場合の政府による計測データ取得も提案されている。

英国に陸揚げしないケーブルも、英国の海域で活動を検知できるなら射程に入る。意見募集は2027年1月14日まで。まだ法律ではない。だが事業者にはもう宿題が届いた。ケーブルに耳が付いたとき、録音の鍵と責任は誰が持つのか。

出典