要約
- DayOne は 9 月 1 日、セランゴール州の新たなデータセンター開発向けに、TNB GenCo と最大 1.5 GW の構内発電を検討すると発表した。
- 覚書の署名は 8 月 7 日。最終容量、構成、実施方式は調査や正式契約、認可を前提とし、既存の再生可能エネルギー契約とは区別が必要だ。
データセンターの利用者が必要とするのは、指定した時期と条件で受け取れる電力だ。計画上の最大容量だけでは、その確約にならない。DayOne がマレーシアで検討する新たな電源は、供給の選択肢を具体化する動きではあるが、顧客に引き渡せる設備として確定したわけではない。
9 月 1 日の発表によると、対象はクアラルンプール都市圏のセランゴール州にある新規開発だ。DayOne は Tenaga Nasional Berhad の発電子会社 TNB Power Generation Sdn. Bhd. と、最大 1.5 GW の専用発電と蓄電池をデータセンターに組み込む案を調べる。既に進出しているジョホール州に加え、同国での拠点を広げる計画となる。
配信された同社の発表文は、8 月 7 日に覚書を結んだことと、なお残る条件を明記している。最終容量や構成、実施方式には、実現可能性の評価、正式契約、必要な認可が求められる。燃料、発電方式、蓄電池の定格、事業費、運転開始日は公表していない。安定性や環境面の改善も目標であり、この設備の運転実績ではない。
似た数字でも、約束の中身が違う
比較対象となるのが、6 月 4 日に発表した再生可能エネルギーの供給契約だ。CRESS の枠組みで TNB Renewables Sdn. Bhd. と TNB Power Generation Sdn. Bhd. が関わり、地上設置型と水力設備に組み合わせた水上型の太陽光など、約 1.5 GWp の太陽光容量と 2.2 GWh の蓄電を対象としている。関連する再生可能エネルギー証書の移転も含む。
ここで GWp は太陽光のピーク出力、GWh は蓄えるエネルギー量を表す。今回の発電計画の GW と同じものではなく、二つの発表を足してセランゴール州の供給力とすることはできない。6 月の蓄電量を 9 月の最大出力で割っても、構内蓄電池の持続時間は分からない。別の計画の数字を組み合わせる計算になるためだ。
経済的には、電力を調達する契約と、構内で発電設備を建設・運用する仕組みを分ける必要がある。機器が近くにあることだけでは、所有者、運転の決定権、供給できない場合の責任は決まらない。電力会社との連携が、系統から独立した運用を意味するわけでもない。これらは今後の実施方式に関わる論点だ。
発表には、世界全体で創業以来 2 GW 超の予約を確保したことや、マレーシアへの累計投資が 2026 年末までに RM280 億超となる見込みも記されている。ただし、今回の拠点の IT 負荷や発電設備の予算を示す数字ではない。新たな構内電源を評価する段階まで進んだことと、利用可能な供給力を確保したことは、引き続き別に扱うべきだ。
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