要約

  • 測定で確認できるのは特定の観測点・時点・方式における技術的な到達不能であり、政策決定者や意図ではない。
  • 政策を語るには、意図、対象、実施主体、法的根拠を、観測とは別の帰属可能な証拠で結び付ける必要がある。

RFC 7754 は、意図的なインターネット遮断を記述する語彙を提案する IAB の Informational RFC である。Richard Barnes、Alissa Cooper、Olaf Kolkman、Dave Thaler、Erik Nordmark の連名文書は、単に接続が失敗したという事実を、その失敗を生んだ政策の説明へ短絡させないための枠組みでもある。

文書は、誤設定や意図しない副作用による遮断を対象から外す。これは些細な限定ではない。DNS の応答異常、経路の消失、TLS 接続失敗、アプリケーション層の拒否は、利用者には同じ「開けない」という現象に見えうる。それでも、測定器が観測した効果から、ある政府、事業者、部署が特定の目的で実施したと結論するには、途中に埋めなければならない証拠の空白がある。

RFC 7754 の用語はその空白を見える形にする。policy-setting party、purpose、intended target、component、enforcement entity は同一である必要がない。決定した主体と実装した主体が違うこともある。したがって、あるネットワークにおけるフィルタリングの兆候は、観測されたコンポーネントと範囲の証拠にはなっても、直ちに政策の著者、動機、対象集団、法的基盤の証拠にはならない。

この区別は、遮断を小さく見せるためのものではない。逆である。観測地点、比較対象、失敗の型、時間帯、再現性、経路上の位置を明示すれば、測定結果はより検証可能になる。そのうえで政策の主張には、公文書、命令、説明責任を負う組織の声明、実施経路の裏付けなど、別種の資料を要求できる。

出典