要約

  • AS210973はDATAMATIX-AS(保有者DATAMATIX Datensysteme GmbH、組織ORG-DDG16-RIPE)として2021年7月30日にRIPE NCCから割り当てられ、企業登記番号FN240683xの一致により、レジストリと法人の同一性を結ぶリンクは一次資料で確認できた(RIPE WHOISミラー、オーストリア企業登記)。
  • 4つのIPv4プレフィックス(149.62.35.0/24、194.0.132.0/24、212.236.9.0/24、212.236.10.0/24)とIPv6 2a10:fd00::/32はRPKI validと報告されるが、194.0.132.0/24の扱いは情報源間で食い違い、上流もAS8218の有無で割れる(RIPE AT割当統計、Hurricane Electric、IPregistry)。
  • 一方、IPinfoは212.236.9.0/24と/24 10をDATAMATIXに、IPIPミラーはVideo-Broadcast GmbHに帰属させ、レジストリ上の記述そのものが揺れている(Qrator Radar、DATAMATIX Impressum)。

登記から法人へ:今は閉じたリンク

RIPEの組織オブジェクトORG-DDG16-RIPEはDATAMATIX Datensysteme GmbH、法人格LIR、登記番号FN240683x、所在地ウィーン・Märzstraße 1を記す。オーストリア企業登記(Firmenbuch)の公開閲覧ビューはFN 240683xをDATAMATIX Datensysteme GmbHとして確認し、2003年10月18日登記、基本資本金3万6,000ユーロ、代表取締役で唯一の株主がMichael Kastelic、2021年9月23日以降ProkuristにIng. Patrick Rombergerが就いたことを示す。登記番号がレジストリ側と一致するため、これまで「記録はあるが実物が検証されていない」とされてきた企業登記リンクは、今回の一次照合で閉じた。

経路データは何を一致させ、どこで割れるか

RIPEstatはAS210973が4つのIPv4プレフィックスと2a10:fd00::/32を起源するとし、RISスナップショット2026年9月11日を根拠とする。bgp.toolsとHurricane Electricも「IPv4が4、IPv6が1、RPKI validが4でinvalidゼロ」と一致させる。Qrator Radar(2026年5月20日〜8月20日収集窓)は3つのIPv4とIPv6を掲げ、すべてRPKI ROA Valid・Route Object Valid・伝播100%(ピア数381〜562)とするが、194.0.132.0/24を掲載しない。IPinfoも3つのネットブロックのみを列挙する。つまり割れたのはプレフィックス総数ではなく、194.0.132.0/24一つに限定的である。

上流も揺れる。bgp.toolsとIPinfoはAS8218(Zayo)、AS8245(Video-Broadcast GmbH)、AS24953(NETPLANET GmbH)の3上流を挙げる一方、cidr-reportの隣接情報とRIPEのaut-num記述はAS8245とAS24953のみを示す。AS8218が現役の上流か、歴史的・予備的な隣接かは、公開データだけでは判定できない。

帰属の揺れは何を語るか

IPinfoは212.236.9.0/24と/24 10をDATAMATIX Datensysteme GmbHに帰属させるが、IPIPミラーは両方をVideo-Broadcast GmbHに、ipregistryは「DATAMATIX-01」「Rapid Solution Development」と記す。これはDATAMATIXが小型LIRとして第三者のプレフィックスを保有・管理する構図を示唆するが、インフラ運用の実態、顧客関係、サービス提供までは証明しない。本稿の解釈上の限界はここに置く。

出典

本稿の事実は以下の公開情報源の照合に基づく。