Summary

  • Quad9の人物紹介によると、主任技術者Darren Karaは新しい拠点の導入待ちを減らす仕事を進めている。世界に広がる任播ネットワークを少人数で運用する。
  • APNICのインタビューと公開されたデータ方針は、応答用アドレスを一時的に使い、拠点や通信方式などの集計値を運用に使う境界を示す。

新しいDNS拠点を地図に足すと、見栄えはすぐ良くなる。夜中に経路が妙な方向へ曲がったとき、その点を守るのは地図ではなく当番の技術者だ。Quad9の紹介文は、Darren Karaが滞っていた拠点展開を速めたと記す。数百の場所に分散したサービスを小さなチームで支えるという説明もある。拠点数の増加は、監視すべき場所の増加でもある。

Karaの履歴にはインターネットの異なる現場が並ぶ。Quad9によれば、2000年からARINに勤め、LACNICとAFRINICの立ち上げを手伝い、その後ICANNでL-Rootを運用した。いま扱う再帰DNSは、登録情報やルートゾーンと違い、利用者からの問い合わせそのものを受け取る。だから観測方法が業務の中心になる。

APNICが10月に掲載した聞き取りでは、個人を識別し得る情報を収集した場所から持ち出さず、集約値と匿名化した送信元情報で測るという方針が語られる。Quad9の方針書はさらに、返答に必要なアドレスは取引中だけ揮発性メモリーに置き、永続保存しないと定める。一方、受信拠点、粗いBGPプレフィックスとASN、問い合わせ種別、応答コード、通信方式、フィルター状態などの計数は残せる。

計数があれば、ある拠点に負荷が寄ったか、遮断リストがどう働いたかを追える。その計数は全部または一部を恒久的なアーカイブにも置ける。悪性ドメインを報告した分析者には、そのドメインへの照会回数と時刻、場合によっては追加の分類項目を返せる。APNICは、他の情報提供者の情報まで漏らさない必要も挙げる。利用者のアドレスを消した後にも、共有先を管理する仕事は残る。

公開資料に拠点別の稼働日と改善実測値、分析者ごとの提供項目と計数の削除期限はない。稼働記録と保存予定表が出れば、増設の成果と観測の範囲を一緒に評価できる。Karaの仕事の価値は新しい点の数だけでは測れない。

原資料