要約

  • Metaは10月28日、業界団体の協議を待つため新しい商取引条件の展開を一時停止すると発表した。10月30日に予定されていた変更は11月20日に延期された。
  • CMAは10月30日、競争法第II章に基づく正式調査を始めた。Meta Oneの購読と外部リンクに関する情報請求は別件で、この調査の対象外だ。

一時停止は判断ではない

日程は決まっているように見えたが、そうではなくなった。Metaの新しい条件は10月30日に発効する予定だった。Competition and Markets Authority(CMA)との協議を経て、Metaは10月28日、業界団体による協議を待つ間、展開を一時停止すると発表した。CMAによれば、変更日は11月20日に移った。

その2日後、CMAは商取引条件について正式調査を開始した。この順序が重要だ。一時停止はMeta側の日程を変えた。調査は別個の競争法上の問いを記録に載せた。

条件によっては、MetaがAI機能を含む自社製品のためにウェブサイトのコンテンツを収集・利用でき、出版社や事業者が利用の可否や方法を選べなくなる可能性がある。CMAが調べるのは、Metaが英国の一つ以上の関連市場で支配的地位にある可能性と、その場合、現行または改定後の条件が1998年競争法第II章の濫用に当たる可能性だ。

これはつながった二つの問いであり、結論ではない。同法第18条は、英国の取引に影響し得る市場で、支配的地位を濫用することを禁じる。不公正な取引条件は濫用の一形態になり得るが、異論のある契約条項がただちに違法になるわけではない。関連市場、支配的地位、濫用行為を証拠に基づいて示す必要がある。

規制当局は一つ、案件は二つ

正式調査の対象はMetaの商取引条件だ。CMAはMeta Platforms Inc.、Facebook UK Limited、Facebook Ireland Limitedを挙げ、ほかのMetaグループ会社が加わる可能性も残している。案件ページは、2027年1月までの迅速な初期情報収集と対話を目安として示す。CMAは調査を終えることも、当事者の反論機会を伴うStatement of Objectionsを出すこともできる。

Meta Oneは別の手続き上の位置づけだ。CMAは、外部リンクを載せるには料金が必要となる可能性のある事業者向け購読について、別途情報を求めている。この件で正式措置を取るかは未決定で、第II章の案件外だと明記している。両件を一つの調査として扱えば、公表記録より広い事件に見えてしまう。

両者が握る手段も違う。Metaは条件を変更・延期し、企業の意見を聞ける。CMAは調査対象を定め、法的権限で証拠を集め、次の段階に進む根拠があるか決める。業界団体は実務上の異論を集められるが、公表資料にその団体が競争法案件を決定する権限は示されていない。

判断を変え得る証拠はまだ公開されていない。CMAは関連市場の分析、支配的地位の根拠、条件が及ぼす個別の影響を示していない。市場の定義が公表され、条件と排除または損害を結び付ける証拠が出れば、法的な見立ては変わる。現段階で検証されているのは仮説であり、判決ではない。 一次資料:CMAの案件ページ、CMA発表、1998年競争法第18条。