要約
- 2024年のccNSO投票は97票中94票が勧告を支持したが、2026年に理事会が削除したのは、特定のリスク審査経路だった。
- 対象は大文字表記だけで起きる類似判定。理事会は申請者に代替文字列を求める道を残した。
ある文字表記で国・地域名をドメインにしたい申請者に、別の文字列を出し直すよう求める。大文字表記だけで既存名と紛らわしいと判定された場合、ccPDP4の第7.8節なら、名前を捨てる前に緩和策を試す余地があった。ICANN理事会はその手続きを削除した。変更によって、どの名前をDNSに載せるか選び直すコストは申請者側に戻る。
ccNSOの票差は大きかった。それで決定が終わったわけではない。2024年4月、集計された97票のうち94票が勧告を支持し、174人の代表の56%が投票した。2026年10月22日、ICANN理事会は第7.8節のリスク処理評価と、4か所の関連参照を除いて政策を採択した。別の機関が、2年後に別の判断を下した。
この政策は国際化ccTLDのライフサイクルを扱う。文字列とそのバリアントの選定、検証、委任、移管、取消、廃止を定める。第7.8節は狭いケースを想定していた。大文字だけで既存名と紛らわしいと判断された場合、申請者は緩和策を提案し、ICANNが任命する独立パネルに評価を求められる。管理者と、必要に応じて公的機関が対策の実施を約束する仕組みだった。
理事会の懸念は運用にある。対策を実現するため、別の独立したTLD管理者が登録の調整に加わる可能性がある。バンドリングなど、技術面・事務面の追加措置も想定された。つまり、自分のレジストリを別の管理者の緩和計画に結び付ける依頼が生じる。理事会はDNSの安全性と安定性へのリスクを重く見て、衝突を避ける代替文字列を選択肢として示した。
ここで政策が扱うリスクの範囲が決まる。元の案なら、難しい類似判定を受けても、関係者が残余リスクを抑えられれば同じ名前を守れた。理事会はより単純な制御を選んだ。名前を変え、独立管理者同士の複雑な運用義務を避ける。ドメイン名は短い。必要な合意はそうとは限らない。
ccPDP4の残りは実施段階に進む。ただし優先順位付け、ICANN組織の実現可能性評価、運用・技術・法務・安全性・資源面の検討が条件だ。勧告の一部には細則改正も要る。理事会の採択だけで、Empowered Communityの賛成は約束されない。今回の採択は実施計画の完成ではなく、次の意思決定の開始だ。
次の制度上の節目は理事会声明だ。決議は、会長兼CEOに声明をccNSO評議会へ送るよう指示した。評議会は勧告を維持するか修正するかを検討でき、補足勧告が出れば理事会に戻る可能性もある。2024年の投票はccNSO内で強い支持を示した。2026年の決議は、その支持と政策を採択する権限の境界を示している。
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