要約

  • 2026年10月28日に公開された個人草案は、BGP経路属性の組をローカルな識別子で登録するメッセージと、その組を使うプレフィックス数を報告するメッセージを分ける。
  • 実装は変化のたびに数を送る方式と、設定した間隔で送る方式を選べるようにすることが推奨される。後者でも、数がゼロになれば次の時刻を待たずに ZERO_REF を送らなければならない。

同じ説明を省いても、最後の退場は見逃せない

RFC 7854に基づくBMPの経路監視では、BGPの到達先情報と経路属性が監視局へ運ばれる。多くのプレフィックスが同じAS_PATHなどを持てば、属性の説明を経路ごとに繰り返すことになる。新草案はこの重複を減らすため、属性の組そのものと、その利用数を別々の情報にする。送る説明は短くなるが、定期方式を選んだ監視局には報告間の経路の出入りが届かない。複数のプレフィックスを持つ組で一つが抜けて戻れば、次の総数は前回と同じに見える。

ルーターは初めて現れた属性の組に、ゼロ以外の32ビットのAS-IDを割り当て、直ちに登録する。ここでのAS-IDは Attribute Set Identifier であり、自律システム番号ではない。監視局はこの登録を受けて初めて、後から届く絶対数、増分、減分、ゼロをどの属性に結びつけるか分かる。不要になった組を登録解除する操作もある。二種類の新しいBMPメッセージ番号はIANAの表でまだ空いており、草案には仮の値しかない。

運用上の選択は数の配達間隔だ。イベント駆動ならプレフィックスの出入りに応じて数を送る。定期方式なら個々の経路のリアルタイム更新を抑え、設定した時間ごとに絶対数を送る。本文の30秒は例示にすぎない。二回の報告の間に増減があっても、最後の総数だけからその順序や対象を復元することはできない。

ただし全滅には特急便がある。あるAS-IDに結びつくプレフィックスが次の定期報告より前にゼロになれば、ルーターは即座に ZERO_REF を発する義務がある。BMPセッションが切れて再接続したときは、現に有効な属性の組をすべて再登録し、初期の絶対数も送ることが推奨される。古い識別子だけを握った監視局では、数に説明札が付いていない。

IETFの記録上、これはGROWに持ち込まれた個人草案の初版だ。通信量の実測削減、実装間の動作、ゼロ通知の遅延測定はまだない。必要な試験項目は明瞭になった。通常の報告を遅らせるなら、最後の経路が消えた瞬間だけは時計に従わせない。

出典:BMP拡張草案、IETFの状態、RFC 7854、IANA登録表。