要約
- 会員FAQは、年次カンファレンス1回につき100ポイント、
.Localイベント1回につき35ポイントを付与し、一定期間の参加実績から会員レベルを算出するとしている。 - 定款では、Platinum、Gold、Silver会員にそれぞれ35票、15票、5票を与え、Bronze会員には出席・討議の権利を認める一方、投票権は与えていない。
- 仕組みは明記されているが、実際の権力分布を測るには、区分別会員数と加重された有資格票数が必要である。
参加から権限までが一本の式になっている
多くの技術コミュニティでは、長年の参加は信頼や評判を生むものの、制度上の権利までは明文化されない。AusNOGは、より直接的な設計を採用している。
会員FAQによれば、会員レベルは毎年1月1日、直前5暦年のAusNOGイベント参加を基に計算される。2020年の中断を考慮した調整も記されている。年次カンファレンスは100ポイント、AusNOG .Localは35ポイント。公開されている基準は、Platinumが500、Goldが400、Silverが200、Bronzeが200未満である。
定款11.2.1条は、これらを単なる称号ではなく議決権に変える。Platinum会員は総会で35票、Goldは15票、Silverは5票を行使できる。Bronzeは出席して討議できるが、投票はできない。取締役もPlatinum会員に含まれる。
したがって制度の流れは明快だ。参加がポイントを生み、ポイントが年次区分を決め、区分が票の重みを決める。対象期間内に年次カンファレンスへ5回参加すれば500ポイント、4回なら400、2回なら200に達する。地方イベントのポイントも加算できる。ただし、この計算だけでは各区分の人数は分からない。
入会と区分判定は別のゲートである
参加すれば自動的に法人会員になるわけではない。定款は、Boardが会員基準と申請様式を定め、理由を示さずに申請を受理または拒否できるとしている。ポイントと票の仕組みは、法的な会員として認められた後に初めて意味を持つ。
ここで「AusNOGコミュニティ」を一つの有権者集団として扱ってはならない。カンファレンス参加者、.Local参加者、メーリングリスト購読者、申請者、正式会員、各区分の会員、実際の投票者は重なり得るが、同じ集合ではない。
Boardのページは、AusNOGがBoardによって運営され、Boardが年次カンファレンスを共同で組織し、組織のcustodianを務めると説明する。つまりBoardは、ポイントを生むイベント制度と、会員を認める法人制度の双方に近い。これは不正や恣意性の証拠ではない。だからこそ、入会、区分基準、参加記録、投票管理を別々に追跡できる記録が必要になる。
継続性を守る一方、参加可能性も権力を左右する
このモデルには合理的な擁護がある。長期参加者は、組織の手続、制約、歴史を理解しやすい。継続的な関与に重みを与えることで、事情を知らない一時的多数による判断を避けられるかもしれない。
しかし同じルールは、認定イベントへ繰り返し参加できるかどうかを正式な発言力に結びつける。移動費、居住地、雇用主の支援、障害、介護責任、時間などが参加可能性に影響し得る。今回確認した資料はこれらを測定していないため、個人の区分の原因として断定することはできない。制度評価で測るべき論点であって、個人への非難ではない。
また35票を持つことは、地域全体からの委任を意味しない。長年の参加者がAusNOG内部で強い信頼を得ていても、その雇用主やネットワーク、オーストラリアの全事業者を拘束する権限が生じるわけではない。投票の効力はAusNOG自身の法人業務に限られる。
必要なのは加重された分母
一人一票なら、有資格者数と投票者数が基本的な分母になる。AusNOGでは、区分ごとの有資格票総数も示さなければならない。
たとえば350票という結果は、Platinum 10人、Gold 24人近く、Silver 70人、またはその組み合わせから生じ得る。同じ合計でも、参加人数と影響力の分布はまったく違う。人数だけを示しても、一人あたりの票数が異なるため不十分だ。
確認した公開資料には、現在の区分別人数、特定総会の有資格加重票、投票数、棄権、区分別結果がない。内部記録が存在しないという意味ではない。公開情報だけでは、権力が広く分散しているのか、常連層に集中しているのか、あるいは権利の多くが行使されていないのか判断できないということだ。
個人情報を出さずに制度を検証できる
参加履歴を個人別に公開する必要はない。年次集計で各区分の人数、区分別の有資格票総数、区分間の移動を示せる。総会結果では、投票した人数、行使された加重票、棄権、最終結果を併記できる。
基準変更には版管理が必要だ。Boardが区分基準を定められる以上、何をいつ変え、どの参加期間に適用したかを残すべきである。会員は公開ルールと自分の記録から区分を再計算し、誤りがあれば明確な経路で訂正できなければならない。
AusNOGは最重要の式をすでに公開している。次に必要なのは、その式が生み出した分母である。
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