要約
- 2026年8月21日のaut-num修正により、AS210328のimport/exportポリシーは「from AS48693 accept ANY / to AS48693 announce AS210328」となり、2021年当時のAS12695向けポリシーを置き換えた(whois.ipip.net)。
- スポンサー組織(sponsoring-org)はORG-DNJ1-RIPEのまま変更されていない一方、新しい相手AS48693は別LIRのORG-LU47-RIPEのスポンサーシップを受けており、AS関係の付け替えとスポンサー移転が同時に起きていないことを示す(whois.ipip.net、IPGeolocation.io)。
- 公開経路観測では、AS210328は3つのIPv4プレフィックスを生成し、うち2つのみが広告され、IPv6は広告されていない。観測される隣接ASは上位3者(AS202425、AS201814、AS48693)のみで、ピアや下位顧客は観測されていない(bgp.he.net、ping.pe)。
- 77.91.65.0/24と185.136.15.0/24はRPKIでVALID、185.218.138.0/24はNOT-FOUNDであり、事業者サイトの「Yandex、Sberbank、ロステレコムとの直接物理ピアリング」という主張は独立には検証できない(ping.pe、almazcloud.network)。
レジストリ上の変更内容
AS210328のaut-numオブジェクトは、2021年12月27日に生成され、2026年8月21日04時38分32秒UTCに最終更新された。現行のオブジェクトは「import: from AS48693 accept ANY」と「export: to AS48693 announce AS210328」を規定しており、これが2021年当時のAS12695向けポリシーを置き換えている。sponsoring-orgはORG-DNJ1-RIPEのままである。この記述は、whois.ipip.netとIPGeolocation.ioという二つの独立したRIPE出力の写し、およびHurricane Electricの断片で一致して確認できる。ただし、本調査ではRIPEの一次REST/RDAPエンドポイントを直接取得できておらず、レジストリ記述は二つの写しによる裏付けに依存している(whois.ipip.net、IPGeolocation.io)。
相手ASとスポンサー構造
新しい相手AS48693(NTSERVICE-AS)はRices Privately owned enterprise(ORG-RPOE1-RIPE)が運用し、ORG-LU47-RIPEのスポンサーシップを受けている。AS210328のsponsoring-orgであるORG-DNJ1-RIPE(LLC Digital Network、LIR、AS12695 DINET-ASの運用者)(IPGeolocation.io)とは別のLIRである。AS48693自身のオブジェクトはAS210328との相互ポリシーを列挙し、2026年9月15日17時14分54秒UTCに最終更新されていた(IPGeolocation.io)。
つまり、8月21日の変更は、単一のLIR配下でのAS関係の書き換えではなく、別のスポンサーLIR配下にある事業者への経路相手の付け替えである。これは組織再編や取得イベントではなく、AS間の商用関係の付け替えとして記録上現れている。ORG-LU47-RIPEとORG-DNJ1-RIPE、あるいは当事者との間に資本関係や共通支配があるか否かは、公開ソースからは確認できない。
経路観測とRPKI
Hurricane ElectricのBGPツールキットでは、AS210328は3つのIPv4プレフィックスを生成し、うち2つ(77.91.65.0/24、185.136.15.0/24)が広告され、IPv6は0件と表示される。ピア数は3とされ、ping.peのプレフィックス表とRIPEstatのリソースページ(2026-09-30 15:37:00時点の表示)も、広告中のプレフィックスとして同じ2つを示している。512個のIPv4アドレスが生成扱いで、PI割り当て2001:67c:29c::/48は広告されていない。観測される隣接ASはAS202425(IP Volume inc)、AS201814(MEVSPACE)、AS48693の3つの上位ASのみで、ピアおよび下位顧客は観測されていない(bgp.he.net、ping.pe、RIPEstat)。
RPKI状態では、77.91.65.0/24と185.136.15.0/24は起点AS210328としてVALID、185.218.138.0/24はNOT-FOUNDである(ping.pe)。これに先立つ報道記録では、185.136.15.0/24を覆うROAのnot-beforeが2026年8月20日、すなわちaut-num付け替えの前日であり、185.218.138.0/24の唯一の被覆ROA(asID 205997)は2026年8月24日05時53分28秒UTCに失効(revoked)していた。ROAの作成と失効、経路ポリシーの書き換えが、ほぼ同じ数日窓に集中していることは、公開レコード上の事実として意味を持つ(BTW先行情報)。
観測されないピアリングと未検証の商用主張
事業者サイトalmazcloud.networkはDIAMOND(ALMAZ)ブランドのもとで、10Gポートあたり月499米ドルからのCloud Connect、プレフィックスあたり月99米ドルからのBGPアドバタイズ、100Mbpsあたり月99米ドルからのGREトンネル、1ユーザーあたり月9米ドルからのクラウドVPN、月99米ドルからのクラウド再販を提示し、「Yandex、Sberbank(Sberbank)、ロステレコムへの直接物理ピアリング接続」を主張している。取得できたページには、期日付きの容量・顧客・成長数値は存在しない。これらの価格とピアリング主張は事業者自身による表明であり、独立した裏付けは得られていない(almazcloud.network)。
公開経路観測でピアが観測されないことは、私的相互接続が存在しないことの証明にはならない。だが証明責任の方向は逆である。接続を販売する側は、その接続の存在を第三者に検証可能な形で示すことができる。現時点でその示しが公開レコード上に現れていないこと、そして8月21日の付け替えがスポンサー移転を伴わない経路関係の書き換えであることは、購入候補者が契約前に要求すべき検証事項を具体的に定義する。
写しの間の食い違い
第三者のミラーは互いに大きく食い違う。robtex.comは依然として2021年当時のaut-numのコピー(as-name ALMAZCLOUD、AS12695向けポリシー、最終更新2021年12月28日12時49分16秒UTC)を提供しており、IPinfoはAS210328を「Inactive」、0アドレスとして分類しているとされる(最終更新2021年12月28日)。これらはミラーの陳腐化を示すものであり、レジストリの現在状態ではない(robtex.com)。
検証ギャップ
本調査では、RIPE RESTの組織エンドポイント(ORG-ZA238-RIPE、ORG-DNJ1-RIPE)、ALMAZ-MNTのmntnerオブジェクト、aut-numのRESTオブジェクト、両RDAPレコード、およびRIPEstatのrouting-status / rpki-status / asn-neighboursのJSONエンドポイント(routing-status API)を宣言した上で直接取得できていなかった。したがって、レジストリ記述は二つの相互裏付けのある写しに依存しており、一次エンドポイントが後日取得可能になった場合は再検証が必要である(RIPE REST、RIPE RDAP)。
会員向け解説
プロフィールの詳細
適切な会員レベルでログインすると、解説全文と出典メモをご覧いただけます。
Strategic Circle 限定
Strategic Circle
すべての読者に公開されています。参加してログインすると プロフィール解説 を閲覧できます。
Strategic Circle に参加Leadership Alliance 会員限定
Leadership Alliance
対象となる IP 資産の所有者・管理者向けです。ログインすると Leadership Alliance の解説を閲覧できます。
Leadership Alliance に参加
