• Xanadu と ASML は、フォトニック量子チップの光損失を低減し得るリソグラフィー工程を研究する
  • 今回の協業は製造技術の研究に重点を置くもので、生産発注、測定で確認された改善、商用システムの提供時期は含まれていない

事実

Xanadu と ASML は9月9日、フォトニック量子チップ向けの先端リソグラフィーを研究する協業を発表した。両社は、フォトニックプロセッサー内で光を導く微細構造を形成するための製造工程に重点を置く。検討対象の一つはラインエッジラフネスで、チップ上に形成されたパターンの縁に沿って生じる微小な不規則性を指す。Xanadu と ASML は、こうした形状をより精密に制御できれば、光がプロセッサー内を進む際の光損失を低減できる可能性があるとしている。

Xanadu は、光の粒子である光子を使って量子計算を行う。同社は、誤り訂正と誤り耐性を備えた、より大規模なシステムを目指すうえで、光損失を解決すべき技術課題の一つに挙げている。協業の金銭面の条件は公表されていない。両社は、生産発注、測定で確認された光損失の低減、商用の誤り耐性量子コンピューターを提供する時期も発表していない。

評価

フォトニック量子チップでは、プロセッサー内を進む光量を十分に保つ必要がある。製造時に生じるわずかな不完全性によって、その光の一部が失われることがある。したがって、こうした構造のパターン形成をより精密に制御できれば、Xanadu はチップ製造時に発生する問題を軽減できる可能性がある。

1枚のチップでより低い光損失が得られても、それは最初の一歩にすぎない。製造工程は、同様の結果を繰り返し生み出せる必要もある。今後の試験では、改善が一度だけ達成されるのではなく、複数のチップで再現できるかを示す必要がある。

BTW の読者にとって、今回の協業は製造技術研究の一段階であり、商用の誤り耐性量子コンピューターが間近に迫っていることを示す証拠ではない。光損失の測定値が公表され、複数のデバイスで一貫した結果が示されれば、この提携が実際に何を達成したのかを判断しやすくなる。

今後の注目点

Xanadu と ASML が、リソグラフィー研究で得た光損失の測定値を公表し、試験方法を説明するかに注目したい。複数のチップや複数回の製造で同様の結果が得られれば、改善を製造工程で再現できることを示す、より強い証拠となる。