要約
- LSRRとSSRRはIPv4ヘッダーに中間アドレスを置き、通過するシステムに処理を委ねた。
- 後の標準は形式を残しながら、非ローカルのソースルート転送を既定で無効にし、オプションの既定破棄を勧告した。
通常、IPv4の宛先アドレスは次に届ける場所を示す。ソースルーティングでは、その判断が暫定的になる。パケットが宛先欄のアドレスへ到達したとき、オプションに次のアドレスが残っていれば、参加するシステムはそれを新しい宛先欄へ移し、空いた位置に自分の送信インターフェースのアドレスを書き込み、ポインターを4オクテット進める。経路は単なる記録ではなく、パケット内で更新される状態だった。
LSRRはオプション種別131で、指定された地点の間では通常のルーティングを許した。SSRRは種別137で、次の指定先が直接到達可能であることを求めた。どちらにも長さ、ポインター、IPv4アドレスの領域があり、それらを先に検証しなければならない。コピー・フラグにより両オプションはすべてのフラグメントに付随し、IPv4ヘッダーの最大60オクテットが経路の長さを制限した。
この仕組みは、送信者に普遍的な命令権を与えたわけではない。各システムはローカルのフィルターとポリシーを適用できた。SSRRは次のホップが直接接続されたネットワーク上にない場合に失敗し得る。記録されたアドレスは、オプションを受け入れて処理したシステムを示すだけで、経路全体の認証ではない。
RFC 1122は転送をホストの設定問題として扱った。ホストは中間のソースルート・ホップになれたが、非ローカル転送をサポートする場合は無効化スイッチを備え、その初期値を無効にしなければならなかった。ゲートウェイのポリシーフィルターも適用された。未完了の経路を転送できない場合は、ICMP Destination Unreachableのコード5、Source Route Failedで通知できた。
RFC 6274は、ルーティング制御の回避、想定外のインターフェースからの到達、トポロジーの把握、意図的に遠回りさせる経路などのリスクを整理した。長さとポインターを検査してからアドレス領域を読む、または書くことも求めた。一方で、診断や一部のピアリングには正当な用途があることも認めていた。それでもLSRRとSSRRは既定で破棄し、必要な環境だけ明示的に有効化する、というのが勧告だった。
RFC 7126は、破棄、オプションを無視して通常の宛先へ転送、RFC 791に従って処理、という三つの選択肢を示した。両オプションの既定値はdropとし、その既定値を文書化すべきだとした。無視は破棄と同じではなく、送信者がその段階で想定した機器とは別の機器へ届く可能性がある。
したがって、失われたのは仕様そのものではなく、既定の信頼だった。ソースルーティングはIPv4に残るが、パケットはネットワークの自動的な協力を前提にできない。
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