• SES と Elveo は、端末直接通信用の低軌道衛星について、欧州での製造能力とサプライチェーンの確立を計画している
  • 拡大後の提携にはモバイルローミングも含まれるが、欧州の工場所在地、生産量、製造日程は発表されていない

事実

SES と Elveo Mobile は9月15日、欧州での端末直接通信に関する提携を拡大し、モバイルローミングと低軌道衛星の製造を対象に加えると発表した。両社は、Elveo の衛星バス、ペイロード、ソフトウェア技術を用いて、欧州での製造能力と域内サプライチェーンを確立する計画だ。SES はまた、Elveo の LEO 端末直接通信ネットワークを、自社の静止軌道および中軌道システムと組み合わせる意向だ。

この合意は、Lynk と Omnispace の合併によって Elveo が設立された後、8月に SES が Elveo への投資と協業を拡大したことに続くものだ。Elveo は別途、320基の衛星からなる LEO コンステレーションを計画しており、配備開始は2027年第4四半期、商用サービス開始は2028年を目標としていると説明している。

評価

今回の新たな取り組みにより、SES と Elveo の関係にすでに含まれていた周波数、ローミング、ネットワーク統合に関する業務に、宇宙機製造が加わる。Elveo には320基の衛星配備計画があるため、欧州の製造計画は、そのうち何基を供給できるのか、また2027年後半に始まる打ち上げに間に合うよう生産を拡大できるのかを示す必要がある。

欧州で衛星を製造するだけで、携帯電話で D2D サービスを提供できるわけではない。宇宙機は完成させて打ち上げる必要があり、モバイル通信事業者はローミング統合を行い、規制当局は各市場で周波数利用とサービスを認可しなければならない。

BTW の読者にとって次の焦点は、製造に関する発表を Elveo の配備日程と結び付けて検証することだ。具体的な生産拠点、生産ペース、打ち上げ枠の配分が示されれば、計画中のコンステレーションのうち欧州でどの程度を製造する見込みなのか、またその能力が2027年の配備を支えられるのかが分かる。

今後の注目点

欧州の製造拠点、生産量、Elveo による320基の衛星計画に関連する最初の宇宙機発注に注目する必要がある。打ち上げ契約と、具体名が示されたモバイル通信事業者による試験は、製造面の取り組みが2027年後半の配備計画に追いついているかを示す。一方、各国の認可は、それらの衛星がどの市場で商用 D2D サービスを支えられるかを左右する。