要約
- RFC 3471 は MPLS の制御概念を、パケット、時分割、波長、ファイバーを切り替えるインターフェースへ拡張した。転送装置がパケットヘッダーを読まない場合さえ対象だった。
- 汎用ラベルは意図的に文脈へ依存した。候補値、許可集合、成功したシグナリング、正常な制御チャネルのどれも、物理資源の割り当てや通信の成立を単独では証明しない。
RFC 3471 の歴史的な面白さは、光ネットワークを MPLS と呼び換えた点にはない。同じ制御語彙を残しながら、その語彙が指す対象を根本から広げた点にある。従来のラベルはパケットやセルのヘッダーとともに流れた。GMPLS が扱う装置は、パケット境界を認識せず、周期内の位置、波長、あるいは現実空間のポートによって信号を転送できた。
2003年1月に標準化過程の文書として公開された RFC 3471 は、プロトコル非依存の機能記述である。CR-LDP と RSVP-TE の具体的形式は RFC 3472 と RFC 3473 に委ね、技術固有の詳細も別文書へ分けた。共通仕様を小さく保つことが、異質な物理層を一つに潰さない条件だった。
文書はインターフェースを四つに分類した。PSC はパケットやセル、TDM は反復周期の時間位置、LSC は波長、FSC はファイバーや物理ポートを基準に切り替える。分類されるのはノード全体ではなくインターフェースである。一台の装置が複数の交換世界を接続しうる。
LSP は階層化できた。複数のパケット LSP を TDM LSP に載せ、それを波長 LSP に収容し、さらにファイバー LSP で運ぶ。集約は制御状態を減らすが、観測の意味を自動的には伝えない。外側の光が見えても内側の顧客通信は列挙できず、内側の経路が正しくても外側の資源が健全とは限らない。
Generalized Label Request は三つの軸を分離した。LSP Encoding Type は要求する信号の性質、Switching Type は各リンクで必要な交換動作、G-PID は主として端点が使う顧客ペイロードを示す。運ばれるもの、信号の形、途中で行う操作は関係するが、同一ではない。
汎用ラベルには、自分の種類を表すフィールドがない。隣接ノードは対象リンクの文脈から形式を理解する前提だった。これは冗長性を避ける設計だが、文脈を証拠の一部にする。インターフェース、方向、交換能力、技術を失った数値だけでは、どの時隙や波長やポートだったのかを後から再現できない。
非パケット資源は離散的で数も少ない。リンクが複数のエンコーディングに対応すると広告しても、要求時に空き時隙や空き波長があるとは限らない。対応能力は在庫の領収書ではない。
Suggested Label は、提案と決定を切り分けた。上流ノードは候補を示し、動作の遅い光学機構を早めに設定できる。しかし下流ノードは別のラベルへ上書きできた。早期提案は遅延を短縮しうるが、割り当て権限そのものではない。提案、上書き、最終選択、装置設定完了を別々に残す必要がある。
Label Set は下流が選べる値を制限した。波長連続性や装置制約を伝えられるが、集合に含まれることは「この段階で許される」というだけで、選択、予約、稼働の証明ではない。次のホップで集合の共通部分が空になる可能性も残る。
双方向 LSP は二方向を一つの手続きで調整し、別々の設定が相互資源を奪い合う競合を抑えた。同時要求には送信元ノード ID を用いた勝敗規則がある。これは制御面を決定的にする規則であり、商業上の優先順位、両方向の光学的対称性、アプリケーション成功を保証するものではない。
制御チャネルとデータチャネルの分離も重要だった。光回線を設定する信号は、別の IP 経路を通れる。したがって制御隣接が生きていてもデータ信号は切れうる。逆に制御を失っても、すでに設定された交差接続が光を通し続ける場合がある。「稼働中」という単一表示は、どの面を見たのかを隠す。
保護情報や管理状態も意図の表現にとどまる。保護を要求しても、分離された予備資源の存在や容量は証明されない。シグナリングを認証しても、送信者は分かるが、物理スイッチの結果までは分からない。
後の RFC 3945、RFC 4201〜4204、RFC 4328 は、アーキテクチャ、経路情報、OSPF 拡張、リンク管理、G.709 を具体化した。それは仕様の発展を示す資料であり、すべての機能が普遍的に配備された証拠ではない。
Heng Lu の running-code の原則に従えば、ラベルは装置とトラフィックの観測が効果を示すまで記号である。最小初期仕様は共通座標だけを規定する節度を説明する。現実の層を分ければ、能力、制約、提案、割り当て、装置状態、信号、サービス結果を一つの緑ランプへ押し込まずに済む。
完全な記録は、両端インターフェースと交換文脈から始まる。広告能力、現在の制約、提案者と選択者、各方向の最終ラベル、装置設定、制御経路を保存する。その上で物理信号、品質、ペイロード到達、アプリケーション結果を別に観測する。RFC 3471 は光子をパケットへ変えなかった。違う現実を共通言語で調整しながら、言語を現実そのものと誤認しない設計を残した。
情報源
- RFC 3471
- RFC 3471 プレーンテキスト
- IETF Datatracker 文書情報
- IETF Datatracker 履歴
- RFC 3471 正誤表検索
- RFC 3031:MPLS アーキテクチャ
- RFC 3209:RSVP-TE
- RFC 3472:GMPLS CR-LDP 拡張
- RFC 3473:GMPLS RSVP-TE 拡張
- RFC 3945:GMPLS アーキテクチャ
- RFC 4201:リンクバンドル
- RFC 4202:GMPLS ルーティング要件
- RFC 4203:GMPLS 用 OSPF 拡張
- RFC 4204:リンク管理プロトコル
- RFC 4328:G.709 シグナリング
- Heng Lu:Running-Code Primacy
- Heng Lu:最小初期仕様
- Heng Lu:現実の層
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