要約

  • RFC 3409は、圧縮ヘッダーに誤りがあるパケットを破棄対象にしたまま、明示的なエラー通知とともにROHCデコンプレッサへ渡すことを推奨した。
  • 不均等誤り検出はヘッダーとペイロードの損傷を分け、ヘッダーが健全ならペイロードの可用性をアプリケーションに判断させられた。

共有コンテキストを使う圧縮では、誤りの射程が一パケットに留まらない。壊れた圧縮ヘッダーを正しい更新として受け入れると、後続パケットの復元まで誤らせる可能性がある。そのためRFC 3409は、デコンプレッサに届くヘッダーの残留ビット誤り確率をほぼゼロにする下位層の検出を求めた。

それでも、検出したパケットをROHCから完全に隠すべきだとはしなかった。誤り通知を付けてデコンプレッサへ渡せば、データとしては破棄しながら、状態回復の観測として利用できる場合がある。同じパケットが配送には不適格で、証拠には有用という二つの資格を持った。

通知なしで渡せば、破損ビットがコンテキスト更新の権限を得てしまう。下位層で消せば、デコンプレッサは障害が起きた事実を観測できない。パケットとエラーラベルを組にすることで、配送禁止と可観測性を同時に維持した。

下位層はすでに復元値の作者でもあった。パケットごとのリンク長からIPv4総長、IPv6ペイロード長、UDP長を推定できる。デコンプレッサは受信した短いヘッダーだけでなく、別レイヤーが提供した事実を組み合わせて元の意味を構成していた。

誤り検出の粒度は、救えるパケット数を左右する。ヘッダーとペイロード全体を一つのチェックで覆うと、どこに誤りがあるか分からない。ROHCはヘッダー損傷の可能性を否定できず、正しい解凍を保証できないため全体を捨てる。音声コーデックが許容できたかもしれないペイロード誤りも同じ運命になる。

不均等誤り検出なら判断を分けられる。圧縮ヘッダーが健全で、損傷がペイロードだけにあると示せれば、ヘッダーを正しく復元し、媒体を使えるかどうかはアプリケーションが決める。これは品質保証ではない。媒体固有の知識を持つ主体に判断を戻す仕組みである。

不均等誤り保護は別の制御だ。ヘッダーを強く守れば誤り率を下げられるかもしれないが、損傷場所を区別できなければ結果を解釈できない。RFC 3409は、UEPの価値がUEDに依存し、無線上のコストも含めて普遍的利益は示せないとした。

複製と順序の扱いも発生場所に依存した。コンプレッサ前の複製は効率を落とすが処理できる。コンプレッサとデコンプレッサの間で下位層が複製することは許されない。圧縮点より前の並べ替えと、同期した二つの状態機械の間の並べ替えも同じではない。

ハンドオーバーでは、コンテキストを移送するか、イベントを通知して完全ヘッダーで再初期化する必要があった。長い損失だけを観測しても、コンテキスト継続の証明にはならない。

後続ROHC文書はフレームワークと並べ替え条件を発展させたが、このInformational文書の運用実績を証明しない。RFC 3409が残した重要な区別は、破棄と忘却を同一視しないことだ。データ権限を拒みながら、ラベル付き失敗を状態証拠として保存できる。

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