要約

  • Redcentricはデータセンター事業の最終現金対価を1億2,490万ポンドと確定し、9月に946万ポンドの精算金を受け取った。
  • これは事業売却による一度きりのキャッシュフローで、MSPの継続収益ではない。9月28日の監査済みFY26決算が残存事業を検証する次の材料となる。

Redcentricのデータセンター売却額は、もはや見積もりではない。同社は9月18日、最終現金対価を1億2,490万ポンドと確認した。4月30日の1億1,540万ポンドに続き、946万ポンドの最終精算金を受領した。

ここで確定したのは取引価格であり、残る会社の収益力ではない。売却代金は一度だけ入る。マネージドサービスの売上は、顧客が契約を更新し、事業者がサービスを提供し、代金を回収して初めて続く。両者を同じ利益の流れとして扱うことはできない。

売却代金、資本返還、将来の方針を分ける

売却対象の経済性から確認すると、当初の評価レンジは1億1,500万ポンドから1億2,700万ポンドだった。FY25のデータセンター事業は売上高4,460万ポンド、調整後EBITDA1,660万ポンドを計上し、不動産リース費用は820万ポンドだった。会社はリース調整後の調整後EBITDAを840万ポンドとし、レンジ上限で約15.1倍の倍率を示していた。これらは売却された事業の数字である。

次に、すでに株主へ戻した資本がある。7月の公開買付けでは9,000万ポンドで5,625万株を取得し、消却した。発行株式数が減れば1株当たり指標の分母は変わるが、会社全体の営業利益が自動的に増えるわけではない。8月には別途、最大150万ポンドの市場買付けも始まった。

一方、累進配当はまだ支払いではない。8月の発表は、最終決済後に累進配当方針の再導入と追加買付けの可能性について更新すると述べただけだ。配当額、基準日、支払日が取締役会から示されるまでは、宣言済み配当と呼べない。

残るMSPは固有の実績で評価する

6月の未監査取引報告では、継続するMSPのFY26売上高は約1億3,210万ポンドで、FY25の1億3,510万ポンドを下回った。約88%が継続収益とされ、粗利益率は61.0%前後、前年は61.6%だった。調整後EBITDAは約1,750万ポンドで、会社が示した市場予想1,720万ポンドをわずかに上回った。この取引報告はデータセンター事業を除外している

将来を見るうえでは売却額より有用だが、88%という比率だけでは契約の質は分からない。解約率、更新価格、サービスクレジット、サポート負荷、回収状況が必要だ。粗利益率が保たれても、本社費用や成長投資が増えれば最終的な現金は変わる。調整後EBITDAと法定利益、営業キャッシュフローの橋渡しも欠かせない。

5月29日時点で報告された7,790万ポンドのネットキャッシュも、日付付きのスナップショットである。初回売却代金は含む一方、9,000万ポンドの公開買付け、その後の買付け、最終精算金より前だった。借入金とIFRS 16リース負債を除いた口径でもあり、現在残高として再利用すべきではない。

同社は9月28日に監査済みFY26決算を公表する。売却精算が終わったことで、経営成績を見る際の取引上の変数は一つ減った。