要約

  • 提案されている irr0 拡張には六つのIRR検索経路があり、routeオブジェクトはプレフィックスと起点ASを組にして引く。
  • peering-set、rtr-set、filter-setの提供は実装者の判断に任される。autnum の政策配列も任意だ。

運用者が欲しいのは、見栄えのよいJSONではなく正しい経路フィルターだ。新しい検索口からrouteが返り、関連する政策セットは返らない。そのとき自動処理は止まれるだろうか。未提供のデータを「空の政策」と読めば、入力の欠落が設定変更に化ける。

10月29日付の「RDAP Extension for Internet Routing Registry (IRR) Objects」第00版は、Mahesh Aggarwal、Jasdip Singh、Andy Newton、Sasha Romijnによる個人提出のInternet-Draftだ。IETFが採択した標準ではない。現行のRDAP問い合わせ形式にないIRRのオブジェクトを、HTTPS上の構造化応答として読めるようにする構想である。

提案する経路はroute、route-set、autnum-set、rtr-set、peering-set、filter-setの六つ。routeの例は irr0_route/192.0.2.0/24/64500 で、プレフィックスだけでなく起点ASも鍵となる。これはARINのIRR利用案内にあるrouteの定義と合う。同案内は、route-setがプレフィックスや別のroute-setを含むことも明記する。データベースのrouteオブジェクトをただ集めたものとして扱えば、集合の意味を取り違える。

実装範囲は草案の第6節で分かれる。peering-set、rtr-set、filter-setは提供してもよいが、必須ではない。第7節の irr0_policies も既存の autnum 応答に追加できる任意の配列だ。import、export、複数プロトコル対応や -via の政策文字列を含められ、配列がある場合は並び順を守る。配列が見えない理由として、政策自体の不在と、応答側がその任意項目を出していない場合とを分けなければならない。

拡張を提供するサーバーは、応答とヘルプの rdapConformance に irr0 を掲げる。ただし、その一語だけで六種類すべての提供を約束するわけではない。RIPE NCCの現行RDAP案内は対応する基本型として autnum、domain、ip、entity を列挙している。草案には導入数も各登録機関の網羅率もない。実装が現れたときは、看板よりクラス別の実測一覧が必要になる。

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