要約

  • PromeraはFormula Facilities ServicesとCritical Area Cleaningの買収を発表し、英国とアイルランドのデータセンター向けサービスを拡大した。
  • 建設段階と稼働後の環境保守を同じグループで担う構想だが、工事関連の業務が継続契約に転換した実績は示していない。

データセンターが引き渡されても、施設内の汚染を管理する仕事は終わらない。変わるのは、工事の進捗に合わせた作業から、稼働施設を支える作業への重心と、それを発注する側の体制だ。Promeraの新たな買収は、この境目の両側に事業を持つ狙いを示している。

Angeles Equity Partners, LLCの支援を受ける同社は、9月9日の発表で、英国企業Formula Facilities Services Ltd.とCritical Area Cleaning Ltd.の買収を明らかにした。事業地域は英国とアイルランドで、金銭面の条件は非公表。取得対象は専門サービス会社であり、データセンターの建物や追加の計算能力ではない。

Formulaは、稼働中のデータセンターで汚染管理と重要施設の環境保守を手がけ、コロケーション事業者や施設管理の顧客と取引している。発表でCACと略されるCritical Area Cleaningは、新設施設の工事前後を担当し、大手元請け業者とともにハイパースケールやコロケーションの建設案件に携わる。補完関係は作業時期だけでなく、接点を持つ発注者にも及ぶ。

Promeraは両社を通じ、建設や試運転から稼働後まで対応する地域基盤を整えるとしている。すでにシンガポールのData Clean Asiaを通じたアジア展開があり、今回が初めての北米外進出というわけではない。新しい動きは欧州の事業地域を加えた点にある。

同社の稼働前サービスの説明には、作業範囲・日程・予算の計画、工事前の監視と清掃、仮設の仕切り、機器保護、環境監視、段階的な清掃と最終清掃が挙がる。新築と改修の双方で、区画ごとの準備や引き渡しに沿って進む仕事だ。記載は提供能力の説明であり、すべての現場の検査合格や予定どおりの開業を保証するものではない。

これに対し、継続保守のサービスは現場に合わせた日程と連絡体制を掲げ、上部のケーブルトレーやダクト、天井内、機器の外面、床面、床下空間などを対象にする。商談の焦点は引き渡し準備から、運用を続ける施設への継続的な対応に移る。ただし、この説明から稼働率の改善幅は分からず、Formulaが各顧客ですでに全項目を実施しているとも言えない。

事業上の可能性は、施工を担当する顧客組織から運用組織へ仕事が移った後も、サービス会社が関わり続けることにある。施設の知識や地域の関係は引き継ぎに役立ちうる。しかし、工事中の契約が保守契約へ自動的に変わるわけではない。発表には転換率、合算売上高、実現した相互販売の成果はない。

組織面では地域の責任者を残す。英国を拠点とするJim Hardingが国際事業のマネージングディレクターに就き、欧州とアジアを担当する。FormulaのMartin GlennonとCACのJack RowleyはPromeraに加わり、それぞれの事業を引き続き率いてHardingに報告する。報告系統は明らかになったが、統合の成果はこれから確認する段階だ。