要約

  • PP-26の言語運用は一律ではない。C文書は六言語、ADMとINFは英語のみ、DTとDLは通常、原言語のみで公開される。
  • DTが最終文書への入力を含む場合は言語上の別経路に入る。ただし、それだけで全権委員会議の採択や法的効果を意味しない。
  • 各文書と重要条項に、区分、原文、人手で確定した版、機械翻訳、改訂系譜、最終文書への入力状態、会議による後の処理をまとめた状態表示が必要である。

五つの略号が示すもの

ペーパーレス会議では、表紙にあった説明の多くをメタデータが担う。PP-26の公式文書ページは、次の五区分を明示している。

区分 示された用途 示された言語運用
C 寄書・報告 六言語
ADM 日程、プログラム、議題など 英語のみ
INF 参考のみ、討議対象外 英語のみ
DT 暫定作業文書 原言語のみ。ただし最終文書への入力を含む場合を除く
DL 限定配布の暫定草案 原言語のみ

これは翻訳本数の一覧ではない。INFは討議できないという機能を示し、DLは閲覧範囲を示す。DTはまだ作業段階にあることを示す。Cには六つの公式版を探す理由がある。

文書カードから区分が消えれば、利用者は五言語が「遅れている」のか「そもそも対象外」なのか判断できない。区分は会議運営の内輪の記号ではなく、公開文書の読み方そのものである。

「同等の地位」には運用条件がある

ITU憲章第29条は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語を公用語とする。全権委員会議の関係決定に従い、文書は形式と内容が同等の版として作成・公表される。食い違いや争いがあれば、フランス語正文が優先する。

決議154は、六言語を同等に扱う原則を確認しながら、予算上の制約と、すべての作業に六言語が必要とは限らないことも認めている。また寄書については、受領後できるだけ早く、遅くとも三営業日以内に原言語で公開し、他言語への翻訳を待たないよう命じている。

ここには段階がある。原文の早期公開は、提出された内容を速やかに記録へ載せる。専門家が確定する他言語版は、その文書区分に求められる公式な到達範囲を広げる。前者は後者の完成を装うべきではないが、時間差だけで不平等を断定することもできない。

監査すべきなのは、区分が適切か、表示された言語状態が規則に合うか、各ボタンが同じ改訂世代を指しているかである。

提案の「継承」を条項まで伸ばす

PP-26の提案経路には、既に有用な考え方がある。権限を持つ加盟国側の担当者は、TIESアクセスを要するConference Proposals Interfaceを利用する。ITUは、この仕組みが六言語での公表とProposal Management Webへの収録を効率化すると説明している。

PMWでは、六言語のいずれからも提案を取得し、その「inheritance(継承)」を追える予定である。会議文書に必要なのは、まさにこの系譜だ。

一つの条項が加盟国提案から始まり、共同提案と統合され、DTに入り、修正後に残ることがある。別の条項は撤回されるかもしれない。最終ファイルだけでは、どの表現を誰が、どの権限で変えたのか分からない。

条項ごとの系譜は、親文書、変更日時、変更した会議機関、各言語版の改訂番号を結ぶ。六言語のリンクがそろっていても、一つが旧版なら「同じ内容」とは言えない。その違いは画面上で明示されるべきだ。

最終文書への入力と採択を分ける

DTの説明にある例外は小さく見えるが重要である。通常は原言語のみで公開される作業文書も、最終文書への入力を含めば別扱いとなる。つまり「入力を含む」という状態が、言語処理の境界になっている。

ただし、境界を越えたことは採択を意味しない。翻訳は投票ではなく、「入力」は全会一致や署名の代わりでもない。権威は、全会または権限ある会議機関の行為と、その後に確定する支配的な文書から生じる。

PP-22は終点の参考になる。暫定最終文書の記録には、2022年10月14日付で六言語版が並ぶ。公式ハイライトによれば、最終日に157加盟国が最終文書へ署名した。これは成熟した会議成果の例であり、PP-26の草案について何も先取りしない。

公開すべきなのは、その前の転換記録である。どのDTのどの条項が、いつ、どの会議機関によって最終文書への入力と記録され、どの言語版がそこから作られたのかを示す必要がある。

機械翻訳には別の標識が要る

ITU Translateは、内容の概略を早くつかむ助けになる。ITU自身が、この翻訳は完全自動で人手を介さず、精度を保証せず、疑義があれば原文の公式版を参照するよう説明している。

したがって、参考用の機械出力と、人手で確認された公用語版は同じ外観にしてはならない。利用者は引用や交渉に使う前に、どちらを読んでいるか判断できなければならない。

改訂時にはさらに注意が要る。第1版から生成された機械翻訳が残る一方、原文は第2版になっていることがある。各表示には、元文書、改訂番号、生成時刻、人手版か機械版かを常に付けるべきだ。

非公開と不存在を混同しない

ITUの情報・文書アクセス方針は、公開が透明性と説明責任に役立つとする。同時に、正当な利益を害する情報は保護する。全権委員会議への入力文書は提出者の判断に左右され、提出者は機微な部分を特定し、可能なら公開用の編集版を提供するよう促される。

公開サイトに見当たらないからといって、文書が存在しないとは言えない。DLはもともと限定配布であり、ほかの入力にも提出者による制限があり得る。公開目録は保護内容を漏らさず、制限の根拠と、存在する場合は公開編集版へのリンクを示せる。

言語、アクセス、意思決定段階、正文の権威は別々である。公開された原言語のみの文書、六言語でも未採択の文書、限定配布だが重要な文書、複数言語で機械表示できても公式版は一つだけの文書があり得る。

文書と条項に状態帯を付ける

必要な表示は簡潔にできる。最初に、C、ADM、INF、DT、DLの別、用途、討議可否、対象読者、提出者、原言語、公開日時、版識別子を並べる。

次に、人手で確定した各言語版と日時を示し、機械出力を分離する。改訂、正誤表、追補は対象文書へ結ぶ。条項が統合・置換・撤回された場合は、親文書と旧表現を消さずに残す。

DTには「最終文書への入力を含むか」という専用欄を置き、記録した機関、日時、対象条項を示す。後に全会などが処理したときは、その行為と、食い違いを解決する正文へリンクする。

この方法は、すべての議事日程や限定草案を六言語にする要求ではない。ITUが公表済みの区分を読み取れるようにする提案である。作業文書、公式多言語版、最終文書への入力、会議の採択を別々に追えれば、文書コードが知らないうちに権威の代わりになることを防げる。

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