要約

若すぎるレジストリ足跡、古すぎるブランド物語

第三者ミラー経由のARIN/PeeringDB情報によれば、PeakFiber Broadband LLCの組織レコードはオハイオ州ベルファウンテンのWest Sandusky Ave.所在で、登録日は2025年11月21日、更新は2025年12月10日である(https://ipgeolocation.io/browse/asn/AS402128、https://whois.ipip.net/AS402128)。AS番号402128は2026年1月21日付とされる。つまり、この会社が「自分のAS」を持ってから2026年時点で1年も経っていない。

対照的に、同社ウェブサイトは100%光ファイバー網、Trailhead 250MbpsからYeti 9Gまでの対称プラン、24時間365日のサポートをうたう(https://peakfiber.net/)。SAM記録は事業開始を2021年9月1日としており、サイト上の顧客の声には「2年以上、5年以上」の利用者も現れる。つまりブランドとしては何年も営業してきたが、今日のレジストリ構造は2025〜2026年に作られた。この間をつなぐ、別のネットワーク構成(別AS経由での提供など)や法人再編の証拠は、保持している公開資料には存在しない。

連邦SAMが示す名前の問題

SAM記録(OpenGovUSミラー)は、UEI NGDHCMWUDZ36としてLOGAN COUNTY GIG LLC dba PEAK FIBERを記載する。所在地は同じベルファウンテンの住所、事業開始2021年9月1日、SAM登録は2025年8月21日(有効化8月25日)、期限2026年8月21日で、取得時点の表示は「Expired」。目的は「Z1 – 連邦支援金」とされ、州はオハイオ第4選挙区(https://opengovus.com/sam-entity/NGDHCMWUDZ36)。一方、ARIN/PeeringDBの名前はPeakFiber Broadband LLC。両者を結ぶ定款、DBA届出、資産買収などの一次資料は本稿の資料セットにはない。ブランド変更、承継、別人格——いずれも仮説のまま置くしかない。

ネットワーク構造:1本の/21と1社の上流

公表経路は167.254.192.0/21(2,048アドレス)の1プレフィックスのみで、ROAはPeakFiber Broadband LLC名義、RPKI状態は有効。IPv6プレフィックスは0と表示される(https://ipinfo.io/AS402128/167.254.192.0/21)。AS36443(Aunalytics)が上流・リスティングされたピアとして現れ、下位ピアのデータは表示されない(https://www.bigdatacloud.com/asn-lookup/AS402128)。単一上流・単一プレフィックス・IPv6なしという構成は、その規模の地方ISPとしては珍しくないが、耐障害性の観点では確認すべき制約である。なお、Aunalytics側の過去の障害報告(ベルファウンテン〜Plain City間の光ファイバー障害)が第三者ステータスサイトに記録されている(https://isdown.app/status/aunalytics/incidents/625985-fiber-issue-between-bellefontaine-and-plain-city)。

Ohio IX加盟は「名簿に載っている」だけ

Ohio IXの公開ピアリング行列にはPEAKFIBER-01/AS402128がメンバーとして載るが、同ページ自体が「掲載されていても実際にピアリングしているとは限らない」との注意書きを付す。実際のセッションの稼働は本稿の資料では確認できない(https://ixpmanager.ohioix.net/index.php/peering-matrix)。

料金届出と補助金:「資格」と「受領」の違い

PUCOのトランジット系TP/TRFのOPEN案件一覧(PUCOのOPEN料金届出ドケット一覧)に、LOGAN COUNTY GIG LLCのドケット90-6454-TP-TRF(2021年11月23日係属)が含まれる。同日に開かれた90-6453(LITTLE MIAMI GIG LLC)と90-6455(BELMONT COUNTY GIG LLC)という「GIG」名の姉妹ドケットの存在は、複数拠点での届出を示唆するが、工事や加入者数の証拠ではない(https://whois.ipip.net/AS402128)。SAMのZ1区分は連邦補助金の「申請資格」を示すにすぎず、実際の交付を証明しない。オハイオ州BEAD最終提案書(2026年4月改訂版)は文脈資料として確認したが、PeakFiber固有の採択事実はここから導かない(https://dam.assets.ohio.gov/image/upload/broadband.ohio.gov/bead/BBOH_BEAD_Final_Proposal_Revised_April_2026.pdf)。PUCOの2025年年次報告書提出者リストも同様に文脈資料にとどめる(https://dam.assets.ohio.gov/image/upload/puco.ohio.gov/empliibrary/files/OPA/Website%20files/Financial%20Assestments%20-%20Annual%20Reports/2025_Annual_Report_Filers_List.pdf)。

地域での可視性と2025年12月の提携

同社はNTCA(米国農村広帯域協会)の組織ページとLogan郡商業同盟の会員名簿、地元経済開発サイトの紹介に名を連ねる(https://www.ntca.org/organizations/peakfiber-broadband、https://members.logancountyohio.com/list/member/peakfiber-9089、https://www.growlogancounty.com/why-logan-county.html)。2025年12月17日には、Richwood Coffeeの「最初のコーポレートパートナー」になったと報じられ、社長兼共同創業者Jake Minnichが「Logan郡にオフィスとチームメンバーを持つ、地域唯一の100%光ファイバー事業者」と説明した(https://richwoodcoffee.com/peakfiber-broadband-becomes-first-richwood-coffee-corporate-partner-of-richwood-coffee/、https://bellefontaine.ohiodailydigital.com/news/peakfiber-broadband-becomes-first-richwood-coffee-corporate-partner-of-richwood-coffee)。地図・人物情報サイトの記載も存在する(https://www.mapquest.com/us/ohio/peakfiber-broadband-715973950、https://exa.ai/library/person/vg5vm8xw2fc)。これらは存在と活動の傍証にはなるが、顧客数や回線キロの証拠ではない。

何が観察できれば結論が変わるか

本稿の読みが誤りだと示すには、(1)PeakFiber Broadband LLCとLOGAN COUNTY GIG LLCの法的連続性を示す登記・買収文書、(2)Ohio IXでの実際のBGPセッション、(3)第二上流やIPv6の導入、(4)連邦・州補助金の確定交付、のいずれかが観察されればよい。現時点では、若いレジストリ足跡と古いブランド物語のずれは未解決のまま残る。