要約

  • RFC 10067は関連付けタイプ8を追加し、2本の一方向SR LSPを双方向の関連ペアとして扱えるようにする。
  • 両端はペア情報から逆方向の経路を把握できる。生存確認は方向ごとに独立し、管理層が両方の結果を突き合わせてサービス状態を判定する。

タイプ8は二つの経路を一組として識別する。片側が落ちたとき、誰が警報を受けてサービス停止を決めるかまでは定めない。

運用上の問いは、経路をどう組にするかだけではない。片側だけが失敗したとき、誰がサービス状態を決めるのか。RFC 10067はPCEPに関連付けタイプ8を加え、二つの一方向SR LSPに制御プレーン上の共通識別を与える。仕組みはステートフル/ステートレスPCEと、PCE/PCCが開始するLSPに適用され、明示経路オブジェクトには各方向の経路を載せられる。

戻り経路の把握は重要だ。指向性BFDや性能測定では、入口ノードが逆方向のSR経路を知る必要がある。情報がなければ、行きの測定だけは精密で、帰りは別チームか希望的観測に任せることになる。

RFCは経路の関連付けとサービスの稼働判定を別の仕事として扱う。生存検出は方向ごとに独立して走り、双方向サービスを稼働中と判断するには管理層が両方の結果を突き合わせる。両端で正しいLSP関連付けを確認することも求めている。制御プレーンは関係を可視化できても、独立した二つの障害領域を一つにはできない。

RFC 10066はマルチパス用に複数のセグメントリストと逆方向リストを運ぶ。RFC 10067が問うのはより限定的な点だ。どの一方向SR LSPが逆方向の相手と対になるのか。そしてペアリング後、何をもって運用可能とするのか。

機能とポリシーは運用者の裁量に残る。YANGモデルで対応状況や成功・失敗カウンターを示すことはできるが、新しいサービス保証にはならない。IANAはタイプ8を割り当てた。悪意あるPCEPピアが関連付けを変えられる可能性があるため、RFCはTLSによるセッション保護を推奨する。

導入時には両LSPの識別子、両端で観測した関連付け、方向別の生存結果を記録する。次に、一方向が失敗した場合のルールを決める。警報を出すのか、サービスから外すのか、迂回させるのか、それとも部分稼働とするのか。ダッシュボードが「ペアあり」しか示さなければ、肝心の判断は担当者不明のままだ。

標準が定義するのは制御プレーン上の関連付けであり、普及状況やサービスの成績ではない。公開された実装情報と運用テレメトリーがあれば、両方向の確認を公開する事業者数や片側だけ成功した場合の対応が分かる。

出典