要約

  • OfgemがP494を差し戻した理由は、GDPR上の処理根拠だけではElexonにデータ庫の設置・運営権限を与えられないからだ。
  • 次の提出には法的根拠、詳細ルール、運用マニュアル、保証資料が必要で、Ofgemはそれを見て判断する。

Ofgemが提案するデータ庫は、スマートメーターの記憶を13か月より長く保つ構想だ。電力の30分値はメーター内に13か月保存され、その後は機器から取り出せなくなる。Elexonは別の保管庫に関連データを置き、系統計画、研究、料金比較、消費者主導の柔軟性サービスなどに使えるようにしたい。まだ運用中のサービスではない。

9月の資料で問われているのは容量ではない。誰がこの保管庫を設置する権限を持つかだ。ElexonはBalancing and Settlement Codeの変更案P494で構想を進めた。コード・パネルは2026年7月9日に承認を推奨し、Ofgemは7月14日に最終報告を受け取った。9月14日、Ofgemは提出内容だけでは判断できないとして、追加作業のために差し戻した。

理由は明確だ。Elexonの報告は主に英国GDPRの「公共の利益に関する業務」を処理根拠とし、一部に「正当な利益」を挙げた。Ofgemの説明では、これらは個人データをどう処理するかの根拠であり、データ庫を設置・運営する法的権限、つまり vires ではない。Ofgemは電力系統運用者ライセンスE1を改正し、コードを通じて新しい機能を認める案を出した。ライセンスが与えていない権限をコードだけで作ることはできない。

供給事業者にも別の境界がある。事業者はすでに決済用のメーター値をElexonへ送っている。そのデータを決済以外の目的で再利用すれば、電力供給ライセンス条件47に抵触するのではないか、という懸念が出た。Ofgemの条件47改正案は、保管庫にデータを送るためのルールを明確にする。全体のライセンス・ガバナンス案は法定協議文書にある。

消費者同意は必要な鍵の一つだが、建物全体の許可証ではない。Ofgemはデータを保管庫へ置くことと、MPAN単位で個人を特定できるデータを第三者に渡すことを分ける。保存はライセンスとコードの枠組みで行い、個人データを第三者が見るにはConsumer Consent Solutionを通じた明示的で十分な説明に基づく同意が要る。集計データと個人を特定できるデータではアクセス条件が異なる。

Ofgemは初期範囲にも柵を設けようとしている。対象は、Supplier Volume AllocationとCentral Volume Allocationから得られる利用可能な30分ごとの電力消費データが中心だ。承認後少なくとも1年間は、電力決済に関連してElexonが受け取ったデータと当局が承認した関連データに限る。重要な範囲拡大には事前承認を求める。公平で差別のないアクセスと料金、安全・プライバシー、独立監査、透明な報告も運営条件の案に含まれる。

日々の運用を支える文書はまだそろっていない。Ofgemは詳細なSDRルール、運用マニュアル、データ保護影響評価、関連する運用ガイダンスを挙げた。利用者の登録、アクセス制御、本人確認、APIやレポートの一覧、監視、保証、事故対応まで決める文書だ。Elexonには協議を行い、改訂報告と法的文案、完全な補足資料を2026年12月15日までに提出するよう求められている。

ライセンス改正の協議は10月19日に締め切られ、判断待ちだ。Ofgemのエネルギーコード日程表では、P494の決定日は「未定」となっている。二つの時計は別々に進む。同意管理の仕組みが許可を記録しても、Elexonが何を保存できるのか、誰がデータを見られるのか、運用をどう検証するのかは、ライセンス、コード、マニュアルと監査記録に残さなければならない。