要約

  • Ofcom は、BT Group の規制対象卸売部門 Openreach に増分新規顧客オファーの撤回を命じる案を示した。
  • 通常の新規獲得数を上回る FTTP 顧客に、月額最大9.50ポンドを最長30カ月割り引く。
  • Ofcom は、代替網が同水準に対抗すると費用を回収できないおそれがあると暫定評価した。
  • 地域限定の50ポンド割引、平均月額19.32ポンド上限、高容量企業向けオファーには介入を提案していない。
  • 意見募集は8月27日17時まで、最終判断は9月末までの予定である。

同じ事業者が提示する割引でも、Ofcom は四つを一つの箱に入れていない。

問題視されたのは、通常の新規獲得数を超える FTTP 顧客に月額最大9.50ポンドを最長30カ月付ける仕組みである。追加顧客へ大きな誘因を集中させるため、代替網が成長に必要とする需要を奪う可能性があるとされた。

他の通知済みオファーは暫定的に許容されている。この差から規制の判断軸が見える。

地域割引は一回50ポンド

Geographic Incremental New to Openreach Offer は、Virgin Media が運営する地域で、ISP の通常数を超える新規 FTTP 顧客に一回50ポンドを割り引く。対象地域の一部には代替網も相当存在する。

Ofcom はこのオファーへの介入を提案していない。実効的な割引がより小さく、合理的に効率的なネットワークの競争を妨げる可能性は低いという暫定評価である。

同じ「増分」という言葉があっても、金額、期間、地域が異なる。規制判断を名称だけで一般化できない。

高速化を促す価格上限も別扱い

Frontbook ARPU Share Offer は、新しい高速接続について ISP が Openreach へ支払う平均額を月19.32ポンドに抑える。高速プランへの移行を小売事業者にとって魅力的にする設計である。

Openreach は高容量企業接続向けのオファーも計画している。Ofcom はいずれにも介入案を出していない。

これは Openreach が値下げできないという判断ではない。割引後も効率的な競争者が費用を回収できるか、対象が競争の成長部分へ過度に集中しているかが問題である。

最大285ポンドは競争の時間を買う

問題のオファーは、二つの上限を掛けると一顧客最大285ポンドになる。全員が同額を受ける保証ではなく、通常数を超える資格が必要である。

Ofcom によれば、全光ファイバーを利用できる世帯の約半数がまだ契約していない。複数ネットワークは、この未加入層から利用率を上げて固定費を回収しようとしている。

追加顧客へ長期割引を集中させると、ISP にとって Openreach を選ぶ限界費用が下がる。代替網が対抗価格を出しても、少ない加入者で建設費を負担する場合は採算が悪化し得る。

一方、消費者は短期的な安値を得る可能性がある。Ofcom は、ネットワーク競争が弱まれば長期的に選択肢と価格圧力が失われると懸念する。この因果関係は意見募集で検証される。

一つを分けた暫定線

Ofcom は、この増分顧客オファーを撤回させれば、Openreach の商業オファーを阻止する初の介入になるとしている。

まだ「なる」であって「なった」ではない。意見提出期限は8月27日17時で、最終判断は9月末までに予定される。

最終文書は撤回を確定するか、変更を求めるか、介入を見送るかを示す。現段階の重要点は、Ofcom が値引き全体を止めず、増分顧客へ大きく長く集中する一つの設計を別扱いしたことである。

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