要約

  • 売上高は48億1500万ユーロで、恒常為替ベース9%、報告ベース8%増加した。
  • AI・クラウド顧客向け売上は4億4600万ユーロ、恒常為替ベース105%増。受注は28億ユーロだった。
  • 受注の約半分は今後12カ月に売上へ転換する見込みである。
  • 調整後営業利益は18%増の4億3400万ユーロ、利益率は9.0%。報告営業損失は5000万ユーロ、利益率はマイナス1.0%だった。
  • フリーキャッシュフローはマイナス7億3200万ユーロ。2026年の再編関連キャッシュ流出は7億~8億ユーロと見込む。

今期の中心は利益率ではなく、運転資本である。Nokia は調整後で4億3400万ユーロの営業利益を計上したが、営業キャッシュフローは6億2000万ユーロの流出となった。

会社説明では、運転資本の流出が約11億5000万ユーロに達した。売掛金の増加による流出が約2億8000万ユーロ、再編関連の支払いが約1億7000万ユーロ含まれる。設備投資から投資助成を差し引いた1億1200万ユーロを加えると、フリーキャッシュフローはマイナス7億3200万ユーロになる。

これは需要が弱いという単純な結果ではない。供給制約のため顧客が長期の発注を早め、Nokia は製造、在庫、納期と回収の間を資金でつなぐ必要がある。

28億ユーロは今期売上ではない

AI・クラウド顧客向けの今期売上は4億4600万ユーロで、恒常為替ベース105%増だった。同顧客からの受注は28億ユーロに達し、経営陣は約半分が今後12カ月で売上になると見込む。

両者は同じ指標ではない。受注は需要の可視性を高めるが、製品の出荷、検収、請求、入金を終えていない。残る約半分についても12カ月以内の売上転換が約束されたわけではない。

実績としては Network Infrastructure が恒常為替ベース12%増えた。Optical Networks は20%、IP Networks は16%成長した。AI・クラウド需要が既存売上に表れている点は、将来の受注だけを示す発表とは異なる。

再編は調整後指標の外でも消えない

調整後営業利益率は8.3%から9.0%へ上昇した。一方、報告営業利益率は3.3%からマイナス1.0%へ低下し、5000万ユーロの営業損失となった。四半期に3億9000万ユーロの再編関連費用を認識したことが主因である。

Nokia は2026年の再編費用を8億ユーロと見込む。従来計画の終了、中国事業統合の加速、主に欧州での追加措置が含まれる。報告は今回、影響する人員数を示していないため、費用から雇用削減数を推定すべきではない。

2026年設備投資想定は、不動産計画の変更を主因に8億~9億ユーロへ減額された。ただし光部品の製造拡大は続く。NXP の Chandler 半導体拠点については買収契約を結んだが、まず2027年初めから一部を賃借し、全面取得の完了予定は規制承認を条件に2029年 Q1 である。対価は非公表だ。

次の判断材料は、受注額の増加だけではない。AI・クラウド売上、売掛金、運転資本、フリーキャッシュフローを同時に見る必要がある。現金が利益に追いつけば転換は自走する。追いつかなければ、成長の予約を Nokia が長く前払いしていることになる。

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