要約

  • NetActuate は9月9日、110を超えるメディア関連ソフトのカタログを発表した。掲載料やアプリ売上の分配は求めないとしている。
  • 商用製品は利用者がライセンスを持ち込む方式だ。個別ページでは、配置先とインフラ・アプリそれぞれのサポート範囲が分けて説明されている。

ソフトウェア市場の運営者が得る収入は、ソフト売上の手数料だけとは限らない。NetActuate の Media Marketplace は、アプリの試用者と導入需要を同社の計算基盤へ呼び込み、商用ライセンスは各ベンダーに残す構成だ。購入側が見るべきなのは、手数料の有無に加え、何が一緒に提供され、何が別の契約や作業になるかである。

9月9日の発表では、取り込み、トランスコード、配信用パッケージング、キャッシュ、WebRTC などに対応する110超のアプライアンスを掲げる。商用製品とオープンソースの選択肢を並べ、掲載料もアプリ売上の分配も求めない。NetActuate が示す課金対象は、ソフトを動かす計算資源だ。

ただし、商用ソフトの利用権まで無料になるわけではない。発表は利用者がライセンスを用意する BYOL 方式を明記している。導入先の運営者による上乗せがなくても、ソフトベンダーから必要な権利を得る条件は残る。

カタログの一項目に全責任が含まれるわけではない

公開カタログは製品とライセンスの種別を分けて表示する。利用者はアプリと実行場所を選ぶ。発表には既存顧客ポータルでのセルフサービス導入が記される一方、個別の公開ページの FAQ は導入ボタンから担当チームへ連絡する手順も説明している。入口が異なるため、公開ページのボタンを押せば常に即時構築されると決めつけるべきではない。

Norsk Studio の掲載ページは、id3as (Norsk) のライセンスを利用者が用意し、選んだ仮想マシンの仕様と拠点に応じて NetActuate の標準計算料金を支払うと説明する。同社によるソフトの従量料金や時間料金は追加しないという。Unified Origin のページも、Unified Streaming のライセンスと計算料金を同様に分けている。

両ページでは、一つの導入は利用者が選んだ単一拠点で動くとしている。45超の拠点を持つという説明は配置先の選択肢であり、一度の起動で自動的に世界各地へ冗長展開されることを意味しない。処理と配信をどこで行い、本番向けにどの追加構成を用意するかは、別途決める必要がある。

サポートも分担される。NetActuate の担当は仮想マシン、ネットワーク、エッジ基盤で、アプリ自体は各ソフトベンダーが支援する。ライブ配信で問題が起きたとき、インフラ障害とアプリ障害では調査資料も担当者も異なり得る。初期導入が簡単になっても、一つの契約でアプリ全体の運用を引き受けることにはならない。

製品ごとの但し書きにも意味がある。Unified Origin のページは、NetActuate が Unified Streaming の導入手順に沿ってイメージを作成・保守するとしながら、そのイメージは Unified Streaming と提携したものでも、同社が推奨したものでもないと明記する。一方、発表には Unified Streaming による協業へのコメントがある。商業上の関係、ソフトの開発元、個別イメージへの承認は別の主張であり、まとめて扱うべきではない。これだけで両社の対立を推測する根拠にもならない。

試用を計算資源の需要につなぐ

一部の製品には、アカウント不要の専用・時間限定サンドボックスがある。発表は NETINT Bitstreams、Norsk Studio、Edge by Quortex、Unified Origin を例に挙げる。確認時点で Norsk Studio は42分、Unified Origin は30分の試用を表示していた。いずれも恒久的な無料本番環境ではなく、すべての掲載製品に同じ試用があるという保証でもない。

ソフトベンダーにとっては、見込み客が製品に触れるまでの準備を減らせる可能性がある。発表によれば、試用で生じた関心はベンダーへ伝えられる。NetActuate 側には、アプリ販売の手数料を取らずに、評価からホスティング需要へつなげる商業的な狙いが読み取れる。

これは利益率や顧客の削減効果を確認した結論ではない。本記事では顧客請求書、サポート契約、性能試験を監査していない。確認できる提案は、導入用パッケージを見つけて試しやすくすることと、利用権、実行場所、サポートの担当を別々の条件として残すことである。