要約
- 現行 MOQT 草案では、観測した Object ID の飛びは番号列の事実にすぎず、ネットワーク損失や未生成を証明しない。
- 永久に存在しない範囲、状態不明の範囲、リレーが待つのをやめた範囲は別の記録であり、監視も分けるべきだ。
418 の次に 420 が届いた。監視画面は 419 を即座に「ロス」と数えたくなる。しかし draft-ietf-moq-transport-21 が設計しているのは、そんな一直線の配送簿ではない。
MOQT のオブジェクトはストリームでもデータグラムでも届き、リレー、購読、fill FETCH、通常の FETCH を通り得る。419 はまだ作られていないのかもしれない。この経路のフィルター外かもしれない。上流への照会中、あるいはリレーの待機予算が尽きただけかもしれない。Original Publisher が「今後も存在しない」と宣言した場合だけ、意味はさらに強くなる。
空白が保持するのは不確実性
9 月 8 日付の第 21 版は、第 20 版にもあった三状態を維持する。購読者またはキャッシュから見て、オブジェクトは存在が既知、不存在が既知、未着または未生成のため不明、のいずれかだ。第 21 版は主に文書の再構成であり、この三状態を新発明として扱ってはならない。
草案の狭い原則は明快だ。観測した ID の空白だけでは、その間のオブジェクトについて何も推論できない。サブグループは別ストリームを使い、データグラムは順序を追い越し、リレーは両端だけをキャッシュしたまま中央を上流へ問い合わせられる。
したがって最初の受領書は、Track、Group、Object、Subgroup、配送方式、観測者、時刻を記録する。「この経路で期限までに見えなかった」は事実だが、「永遠に存在しない」には別の権限が要る。
「永遠」を宣言できる主体
Prior Object ID Gap は、直前の連続範囲が存在せず、今後も存在しないことを示す。この属性を追加できるのは Original Publisher だけで、リレーは作れない。FETCH が同じ空白を既に表す場合に限り、リレーは重複する属性を除ける。Prior Group ID Gap はグループに同じ境界を適用する。
完了した有界 FETCH も範囲状態を示すが、未返却を一種類にまとめない。End of Non-Existent Range、End of Unknown Range、End of Timed-Out Range が別々にある。生成の恒久判断は発行者、保管と待機の結果はリレー、待機予算は購読者に属する。
タイムアウトは損失ではなく待機予算の記録
現行版に引き継がれた重要な変更は、第 20 版で追加された 0x20C の Timed-Out 範囲だ。FILL_TIMEOUT が切れたため取得を断念したオブジェクトを、本当に不明なものや永久欠番から分ける。
この値は、一つの要求から生じる上流 FETCH 全体の待機ミリ秒だ。ゼロなら即時利用可能なものだけを求める。指定がなければ実装依存で、リレーは購読者の要求より短くしても通知義務がない。
従って Timed-Out は「このリレーが、この要求と予算では待つのをやめた」としか証明しない。パケット損失でも未生成でもなく、別リレーや継続中の購読が後から届ける可能性も残る。草案は、別の情報源から不存在と記録した後に遅延オブジェクトが届いても、直ちに Track 不正とはしない。キャッシュには出所付きの調停が必要になる。
プレーヤーの締切は別の現実
映像には表示時刻がある。存在するオブジェクトでも依存フレームより遅ければ使えない。逆に、強化レイヤーが最初から作られなくても基礎レイヤーは再生できる。参加時刻、バッファ量、選択表現が違えば、同じ配送記録から視聴結果も変わる。
MOQT はコーデック依存性を決めない。運用は、オブジェクト観測、状態の発信者、リレー予算、キャッシュ遷移、デコード依存、表示期限、視聴結果を結びつけつつ分離すべきだ。そこで初めて、経路遅延、キャッシュ不足、発行者の意図、プレーヤーの期限超過を区別できる。
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