要約
- メキシコの「子ども・青少年のための安全なデジタル環境に関する政令」は10月14日に公布され、対象となるプラットフォームに30暦日以内の実施報告を求めている。
- 最初の検証課題は、その報告をAgencia de Transformación Digital y Telecomunicacionesなどの当局がどう評価するかだ。義務の範囲は詳しいが、評価の共通様式や結果の見せ方はまだ明らかでない。
期限は公布日から動き始めた。メキシコの官報『Diario Oficial de la Federación』は10月14日に政令の全文を掲載した。第2経過規定により、発効も同日となった。第4経過規定は、プラットフォームに対し、実施した措置を記録し、発効後30暦日以内に報告するよう求める。これは目前の確認点だが、サービスがすでに改修を終えたことや、当局が効果を確かめたことを意味しない。
大統領府の発表は、政令を義務的だが罰則を伴わないものと説明し、Agencia de Transformación Digital y Telecomunicacionesが実施状況を追跡するとしている。また、複数のプラットフォームが準備期間として1か月を求めたとも報じた。これは政府による会談の説明である。法令上の適用範囲は定義に該当するサービス全般で、発表に名の挙がった企業だけではない。
対象はSNSに限らない
第2条は、インターネットを通じてユーザー間の交流、通信、コンテンツの生成・配信・共有を可能にする仲介サービスをデジタルプラットフォームと定義する。例にはSNS、ゲーム、アプリストアが含まれる。したがって、ニュースフィードの投稿管理だけを見ても全体像はつかめない。どのサービスが定義に当たり、その機能が子どもの接触や推薦にどう作用するかを見なければならない。
第3条は、子ども・青少年に特定コンテンツへのアクセスや露出を認めること、また推奨することを禁じる。対象は、いじめやネットいじめ、性的虐待・搾取、ヘイトスピーチ、暴力的過激主義や大規模な暴力、憎悪や暴力を促すユーザー投稿、違法行為、露骨な性的内容、自殺、自傷、摂食障害に関する内容だ。
第4条は、実務上の要件を並べる。年齢確認は信頼できる仕組みによって行い、本人の自己申告だけに頼ってはならない。プラットフォームは、対象となるアカウントや投稿の特定・削除基準、年齢別分類とコンテンツ審査の基準を公表する。対象のアカウントや投稿は直ちに削除し、見つけやすい通報窓口と保護者向けの監督機能を設ける。サービスの設計段階から安全を組み込み、新規アカウントには利用可能な最も厳しいプライバシー・安全設定を初期状態で適用することも求める。
さらに、設計、機能、推薦システム、ユーザー間のやりとりに関するリスクを定期的に評価し、合理的な対策を講じる。内容の傾向に関する統計も定期的に主管当局へ共有する。第5条は、24時間365日対応する専門の当局窓口、削除されたアカウントや投稿の電子証拠を少なくとも90営業日保全する義務、子どもの生命・尊厳・安全・完全性・プライバシーを脅かす内容を当局へ直ちに知らせる義務を加えた。理念の提示にとどまらず、製品設計から捜査協力までを含む。
報告書だけでは成果は分からない
30日報告の条項は、各社に措置の記録と報告を求める一方、共通の様式や、報告書そのものを公表する義務をそこでは定めていない。第4条の統計共有は主管当局向けであり、それだけで一般向けのダッシュボードや外部監査になるわけではない。大統領府はAgencia de Transformación Digital y Telecomunicacionesを追跡役として示した。別の第3経過規定は、Consejería Jurídica del Ejecutivo Federalに対し、関係する連邦機関を集めて追加規制の案を調整するよう指示している。役割は関連するが、条文上は別々に置かれている。
作業を列挙した報告書だけでは、子どもが危険な内容に触れる機会が減ったか分からない。公表されたルールを年齢確認の手法、推薦制御、削除、通報、誤判定の訂正と結び付けて初めて、変化の筋道を評価できる。確認できるのは報告義務と政府が表明した追跡の役割までであり、両資料に履行結果は示されていない。
政令の前文は、意見・情報・思想を発信する自由にも触れる。第3条の一部は広い概念を含み、第4条は対象コンテンツの即時削除を求めるため、プラットフォームが公表する判断基準は大きな意味を持つ。確認した条文にはユーザーの異議申立て手順が詳述されていないが、それだけでメキシコ法上ほかの救済手段がないとは言えない。ここで追うべきなのは、誤削除をどう見つけ、どう正すかという運用だ。
大統領府によると、Meta、Microsoft、Apple、TikTok、Google、X、Huaweiとの会合があり、企業側は保護の必要性を認め、準備期間を求めたという。会談は実装に役立つ情報をもたらし得るが、定義に当てはまる全サービスの履行を証明するものではなく、業界全体の合意を示すものでもない。次に見るべきは、報告の提出状況、記載内容、当局の審査、そして作業部会から規制案が出るかどうかだ。期限は行動を促す。比較できる証拠があって初めて、実効性を問える。
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