要約

  • 第10版は、セッション固有の候補データストア、原子的な update、同一ノードの変更を中心とする衝突検出、三つの解決モード、作成時点・最終更新時点との任意比較を提案する。
  • それらは編集の保管を改善するが、基準点の鮮度、意味上の競合の網羅、自動解決と人の意図の一致、実機への適用、顧客成果までは証明しない。

隔離された枝でも、外側の時間は進む

draft-ietf-netconf-privcand-10 が解こうとするのは、共有候補に残った別クライアントの未完成な変更まで commit してしまう問題だ。最初の対象操作で running を複製し、NETCONF セッションまたは RESTCONF クライアントだけの候補を作る。

しかし作成後も他の書き手は running を変える。草案自身、長時間の候補は大きくずれ得ると述べる。最新状態との接点は、明示的な update、広告された自動更新、または commit 直前の暗黙 update に限られる。

Datatracker では第10版は NETCONF WG の活発な Internet-Draft で、Working Group Last Call 中、目標は Proposed Standard である。履歴 は2026年8月24日版と示す。RFCでも、実装報告でもない。

八つの記録

基準点。 サーバー識別子、running の厳密な版またはハッシュ、YANG Library、schema、default、作成時刻、最後の update、trigger=all-updates の有無を残す。creation-point、last-update、現在の running は別の比較だ。discard-changes も現在とは異なる過去状態へ戻り得る。

編集の所有。 NETCONF ではクライアントとサーバーの双方が能力を広告して初めてプライベートモードになる。未対応サーバーは要求を無視して通常セッションを続けることも、切断することもできる。認証済みユーザー、セッション、交渉結果、寿命、操作列、変更集合のハッシュを一つに結ぶ必要がある。別の管理インターフェースは草案の範囲外だ。

RESTCONF にはクライアント側の能力広告がない。RFC 8040 の既存クライアントが即時反映を期待するため、草案は候補を自動 commit する。NETCONF のセッション証拠をそのまま転用できない。

差分の意味。 RFC 9144 の拡張で、候補を running、作成点、最終更新点と比較できるが、reference point は任意実装である。filter、all、schema、default、読めるノードが範囲を決める。no-matches は差分ゼロではなく、何も比較されなかったという結果だ。

RFC 8341 は操作とデータの権限を分け、読めないデータは黙って除外され得る。空の差分は、許可された視野内でのみ空である。

並行変更。 中核の衝突判定は、値、存在、ユーザー順序、presence container、leaf、leaf-list、YANG metadata など同じノードへの重複変更を扱う。追加検査は実装可能だ。一方、別々のノード変更が合成されて容量超過、冗長性喪失、方針違反を起こす場合、同一ノード衝突にはならない。書き手と時区間に加え、ノード横断の不変条件を検証する。

解決権限。 revert-on-conflict は全体を失敗させ、prefer-candidate は候補側の衝突値を残し、prefer-running は運用側で上書きする。自動更新ではシステム既定が、クライアントの知らない間に枝を変え得る。trigger、mode、対象、前後値、捨てた意図、承認者を記録する。

commit。 原子的な暗黙 update を revert-on-conflict で実行し、成功した場合だけ候補を running に写す。RFC 6241 の <ok> はプロトコルエラーがなかったことを示す。実機の挙動ではない。message ID、候補ハッシュ、update 結果、衝突報告、新しい running 版を結合する。

収束。 RFC 8342 は running、intended、operational を区別する。変換、資源不足、適用遅延で差が生じる。RFC 8526 は各 datastore への NETCONF 操作を与えるが、同一性は保証しない。対象機器と観測窓を固定して比較する。

成果。 取引から独立した観測者が、interface、route、queue、security policy、forwarding を確認し、その後に顧客、SLA、業務対象を検証する。適用状態と回復は別の主張だ。

情報源とレビューの限界

第06版への OPSDIRレビュー は reference point、datastore 定義、セキュリティを論点とし、同版の YANG Doctorsレビュー は「Almost ready」とした。いずれも第10版への新しい判定ではない。

参照した技術的基盤は RFC 6241、RFC 8040、RFC 8341、RFC 8342、RFC 8526、RFC 9144 であり、特定の導入事例ではない。