要約

  • フランス競争当局は、マヨット全域の公共サービス委託事業をめぐる争いを審査する間、Orangeに対し一部地域での新たな光回線敷設と卸売営業の一時停止を命じた。
  • 焦点は、17自治体のうち5自治体で進む並行整備が、採算の低い地域まで支える公的事業の収入構造を変えるかどうかだ。当局の判断は暫定的で、違反を最終認定したものではない。

分析

この案件は、光回線が必要かどうかを争っているわけではない。サイクロン・チドによって架空銅線網が損傷し、公的コンセッションもOrangeの計画も、その後継となる設備を整備しようとしている。問われているのは誰が整備区域を設計するのか、そして公的計画の資金が確定する前に二つの計画が重なったとき、残る地域の採算に何が起きるのかだ。

2025年1月14日、マヨット県・地域圏はRéunicableと公共サービス委託契約を結び、17自治体すべてに光回線を整備することにした。Réunicableは傘下のMayotte THDに実施を委ねた。Orangeも入札に参加していた。2025年3月には、Orangeが自己資金で5自治体の整備を始め、2030年までに27,771の施設を接続する目標を公表した。

密度はネットワークの収益を左右する。当局によれば、対象の5自治体はマヨットでも人口密度と収益性が高い地域にあたる。公的コンセッションは、地域全体の収入を組み合わせることで、見込み収入だけでは整備費を賄いにくい地域も支える設計だという。民間網は整備地域の選択肢を増やし得る一方、より広い区域をカバーする義務の収入基盤を変えてしまう可能性もある。

当局は、二つの計画の併存が重複整備の危険を生んだとみる。国土結束庁は公的ネットワークの補助申請の審査を停止し、当局によれば国の資金拠出の約束も保留された。補助が確実に承認されていたことや、Orangeの整備だけが資金問題の原因だったことを示すわけではない。ただ、最終判断を待たずに資金審査と暫定措置が動いたことは示している。

10月21日、当局はOrangeに、未整備地域での追加工事と卸売営業を停止するよう命じた。また、光回線、銅線、土木設備の状況報告を求め、公的事業者が必要とする場合にはOrangeが管理する管路などへのアクセスを確保するよう求めた。公的網に異常な遅れが出た場合、全域を対象とする共同整備に合意した場合、または既設のOrange網をコンセッションに組み込むため契約を調整した場合には、措置を見直せる。必要なら資金条件も変更できる。

この見直し可能性が措置の射程を示す。民間投資の恒久的な禁止でも、敷設済み回線の撤去命令でもなく、支配的地位の濫用についての最終判断でもない。現時点で当局が認めたのは、行為が濫用にあたる可能性と、重大かつ差し迫った損害のおそれだ。本稿の準備時点で決定全文はまだ公表されていなかった。

教訓は、重複整備を一律に悪とみなすことではない。公的主導のネットワークでは、採算が取れる区域と公的支援を要する区域の境目そのものが資金設計の一部となる。工事の順序、卸売アクセス、土木設備の利用権、資金拠出の時期を整合させ、使える設備を無駄にせず全域カバーの義務を維持できるかが試されている。

出典