要約
- TrendForceによれば、2025年の世界DRAMモジュール市場収益は前年比59%増の212億ドルに達し、キングストン・テクノロジーは推定62%のシェアで首位を維持した(https://www.trendforce.com.tw/presscenter/news/20260922-13248.html )。
- キングストンは2026年9月28日、TrendForce集計で23年連続の世界首位と推定62%シェアの獲得を発表した(https://www.kingston.com/en/company/press/article/79200 )。
- 首位の背景には、DDR5への製品転換と産業・エンタープライズサーバー向け多角化という実行メカニズムがある(https://www.club386.com/kingston-leads-global-memory-revenue-chart-market-share/ )。
- キングストンの収益は非公開であり、Forbesの2025年推定144億ドルとOCBJの2026年推定195億ドル(+10%)が並立し、企業価値評価にも大きな幅がある(https://www.forbes.com/companies/kingston-technology/ 、https://www.ocbj.com/technology/kingstons-value-soars-to-est-59b/ )。
2025年のDRAMモジュール市場は、前年の7%成長から一転して59%増の212億ドルに急拡大した。TrendForce(2026年9月22日発表)の集計では、上位5社が収益の77%、上位9社が81%を占め、キングストン(首位、シェア62%、収益前年比+48%)に続き、ADATAが2位(+82%)、Ramaxelが3位(+153%)、Kimtigoが4位(+20%)、Team Groupが5位に入った(https://www.trendforce.com.tw/presscenter/news/20260922-13248.html )。
TrendForceは急拡大の要因として、2025年後半の価格上昇と出荷集中、DDR5が主力製品ラインになったこと、そして価格上昇を吸収できる顧客層を狙った産業向け・エンタープライズサーバー製品への注力を挙げている(https://www.trendforce.com.tw/presscenter/news/20260922-13248.html )。キングストンの発表はこの集計を受け、23年連続首位と62%シェアを確認した(https://www.kingston.com/en/company/press/article/79200 )。
この首位が単なる価格サイクルの波に乗った結果なのか、それとも実行の産物なのかは、2023年の不況が示唆を与える。同年のメモリー不況ではモジュール市場の収益が28%減少し、各社は減産とHBM・サーバー向けDDR5への転換を迫られた。価格主導の市場では首位交代が起こりうるが、キングストンは不況期を経てもシェアを拡大してきた。つまり、モジュール組立という事業の規模と供給網、そして顧客構成の分散が、循環を「耐える」だけでなく「拡げる」ものになってきたことを示している(https://www.club386.com/kingston-leads-global-memory-revenue-chart-market-share/ 、https://hwbusters.com/news/kingston-owns-62-of-the-dram-module-market-and-the-fastest-growth-went-to-everyone-else/ )。
一方で、キングストン自身の数字は意外なほど不透明である。非公開企業として収益を公表しておらず、最後に公表された数値は2022年サステナビリティ報告の161億ドルにとどまる。Forbesは2025年の収益を144億ドルと推定し(https://www.forbes.com/companies/kingston-technology/ )、Orange County Business Journal(2026年7月27日付)は2026年の売上を前年比10%増の195億ドルと推定し、企業価値を売上の約3倍(約585億ドル)と評価した(https://www.ocbj.com/technology/kingstons-value-soars-to-est-59b/ )。創業者の資産評価も、Bloomberg由来の推定が6月に一時約1,000億ドルに達した後に約700億ドルへ下落した一方、Forbesの推定は約300億ドルと大きく乖離する(https://www.ocbj.com/technology/kingstons-value-soars-to-est-59b/ )。2026年1月には、Forbesの全米非公開企業ランキングで28位、テクノロジーハードウェア部門では首位にランクされた(https://www.businesswire.com/news/home/20260119607663/en/Kingston-Technology-Remains-Among-Top-Private-Companies-in-2025 )。
先を見ると、TrendForceは2026年第2四半期の世界DRAM産業収益を約1,547億ドル(前四半期比+59.5%)と報告し、2026年にはHBMとRDIMMが世界DRAMビット供給の51%を占めると予測する。供給逼迫はAIインフラ需要の拡大を背景に2027年まで続く見通しだ(https://infotechlead.com/networking/global-dram-module-market-revenue-jumps-59-to-21-2-billion-as-kingston-holds-62-share-98402 )。これは産業全体の数値であってキングストン固有のものではないが、モジュール事業の中心が標準モジュールからAIサーバー向け製品へ移るにつれ、顧客構造と収益性の前提が変わりうることを意味する。
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