要約
- 厳格 uRPF は正当な非対称通信を拒否し得る一方、緩い uRPF は方向性を失う。RFC 8704 はインターフェース別の実現可能経路集合を定義する。
- この方式は BGP 経路、プレフィックスフィルター、関係データの品質に依存し、顧客契約や実際の導入を証明しない。
分析
送信元アドレス検証が問うのは、その送信元を持つパケットが当該インターフェースから正当に到着し得るかである。単一回線なら転送表が明快な答えを示せる。マルチホームでは返路の最良経路と到着経路が異なる。方向は証拠だが、最良経路だけでは承認全体を表せない。
BCP 38 は、偽装送信元の通信を入口近くで止め、追跡可能性を高めるという目的を定めた。RFC 3704 の厳格 uRPF は FIB で送信元を検索し、到着インターフェースが選択された返路と一致することを求める。対称な環境では強いが、ポリシーやマルチホームによる非対称性では正当な通信も落とし得る。
緩い uRPF は送信元への経路が一つでも存在するかだけを見る。誤破棄は減るが方向性を失い、別の場所で到達可能なプレフィックスを不適切な入口でも認めかねない。
RFC 8704 はインターフェースごとの RPF リスト、つまり許可される送信元プレフィックス集合を定義する。アルゴリズム A は一つの最良経路を越えて集合を広げるが、全経路には広げない。ある起点 AS の経路をそのインターフェースで受け取ったなら、適切に検証された同じ AS の別プレフィックスも実現可能と扱える。
ただし RFC は、対象経路がプレフィックスフィルタリングと、利用時には経路起点検証を済ませていると仮定する。誤った相手から得た経路は、RPF リストに入っただけでは信頼できない。境界の妥当性は経路入力と隣接関係の理解に依存する。
難しい ISP・顧客構成では、アルゴリズム B が特定したカスタマーコーンまで許可を広げられる。間接的な正当送信元を扱える反面、商取引関係の精度への依存が増す。古いコーンや誤分類されたピアは契約以上に境界を広げる。
ROA と IRR はプレフィックスと起点の証拠を補えるが、特定インターフェースの承認を単独では証明しない。起点の承認と入口の承認は別である。
費用には RPF 状態の増加、BGP 過渡期の更新、破棄調査、例外管理がある。本稿の資料は普遍的な実装、特定ネットワークの導入、定量的改善を示さない。SAVNET の活動は精度問題が残ることを示すが、将来方式がすでに利用可能だという証拠ではない。
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