要約

  • 10億7,000万ドルの信用状サブリミットは、同額のリボルビング枠に含まれており、追加枠ではない。契約上の「Liquidity」は適格な非拘束現金と未使用の借入可能額を合算する。
  • 初期の最低水準はコミットメントの40%、4億2,800万ドル。River BendかBeacon Pointのいずれかで、賃貸契約に基づく全Critical Power PhasesのCommencement Dateを迎えた後に限り、25%へ下がる。

分析

9月24日に締結されたHut 8 Corp.の4年物シニア担保付きリボルビング信用契約は、借りた資金を返済して再び引き出せる。別途、1年の目安で10億7,000万ドルの信用状枠があるわけではない。条文は、信用状サブリミットが同じ10億7,000万ドルのリボルバーの一部であり、追加ではないと明記する。資金を借りる場合も銀行保証を頼む場合も、使うのは同一のコミットメントだ。

この違いは、データセンター用地の開発費に関わる。Hut 8は、連系預託金や電力会社・設備ベンダーへの義務に信用状を使えば、現金担保を減らせると説明した。信用状は現金を支払う代わりではなく、銀行が相手方に支払う条件付き約束である。その枠は同時に借入余力を消費する。9月28日に提出された8-Kでは、9月24日のクロージング時にこの契約の残高はなかった。公表資料は、その後の借入や発行済み信用状の額を示していない。

契約のLiquidity定義は、会社の現預金残高とも、開示される総合的な資金指標とも異なる。借り手および一部の子会社が保有する適格な非拘束現金に、コミットメントから貸付金と信用状エクスポージャーを引いた未使用枠を加える。借りた現金を口座に残せば、当初は利用可能枠を現金へ置き換えるだけだ。建設費に充てれば、その現金支出が合計を減らす。信用状はその日に現金が出なくても未使用枠を減らす。したがって、同じ資金源が現金、貸付、保証として現れることはあっても、二重に使えるわけではない。

最初の財務テストは2027年3月31日終了四半期から始まる。契約上のStabilization Dateより前は、Liquidityを総コミットメントの40%以上に保つ必要がある。初期枠10億7,000万ドルを前提にすれば4億2,800万ドルだ。Stabilization Date以降は25%、2億6,750万ドルとなる(コミットメントが変わらない場合)。分母は貸付金や信用状エクスポージャーを差し引かずに計算する一方、それらは未使用枠を減らすため、合算されるLiquidityの側に反映される。

Stabilization Dateは暦上の予定日ではない。River BendとBeacon Pointの各indentureで定義されるCommencement Dateの早い方で決まる。両方のプロジェクト契約は、データセンター賃貸借契約にある全Critical Power PhasesのCommencement Dateと、最初のフェーズだけに関するInitial Commencement Dateを区別している。最初のデータホールを引き渡した日、送電を開始した日、あるいは賃貸借契約を結んだ日だけでは、高い流動性下限が終わったとは言えない。

信用枠を保つ費用もある。未使用で利用可能なコミットメントには年0.250%の手数料がかかる。1年を通して全額が未使用という仮定なら、年額換算は267万5,000ドルだが、実額は利用可能額と日数で変わり、他の手数料も別にある。Term SOFRで借りる場合は、初期マージンが1.75ポイントで、契約上のレンジは連結総負債と時価総額の比率に応じて動く。

この親会社枠はプロジェクト債務とも区別する必要がある。借り手はHut 8 Corp.で、一部の受取債務を負う子会社が保証し、例外を除くほぼ全資産に第一順位の担保権が設定される。第2四半期報告書によると、River BendとBeacon Pointの合計75億ドルのプロジェクト債はHut 8 Corp.に遡及しない。建設や返済準備のために制限されたプロジェクト口座もある。現金、制限付現金、Bitcoinをまとめた企業全体の数値は、この信用契約のLiquidityと同じものではない。

契約の仕組みは公開されているが、9月24日以降の利用額、契約計算に使える現金額、全フェーズのCommencement Dateがいつ来るかはまだ公表されていない。見るべきなのは「10億7,000万ドルの現金があるか」ではなく、適格な現金はいくらか、どれだけの枠が貸付か信用状に使われているか、そしてどちらのキャンパスが先に契約上の段階へ進むかだ。

出典