要約

  • Hivelocityの新しいGaming Bundleは、自らサーバー群を制御するゲーム開発・運営会社向けに専用基盤を提供する。
  • 請求が予測しやすくても、プレイヤーにサービスを提供した時間当たりの費用が下がるとは限らない。待機余力と使い道のない余剰を分ける必要がある。

プレイヤーが眠っている間も、専用サーバーの費用は考慮しなければならない。ゲームを止められないことと、各地域のマシンが常に埋まることは別だ。料金を読みやすくする買い方は、空き容量の負担方法を変えるのであって、空きそのものをなくすわけではない。

Hivelocityは9月10日にGaming Bundleを発表した。自社でサーバーのオーケストレーションを運用するスタジオを対象に、開発用計算、本番バックエンド、リアルタイムゲーム向け計算を区別している。専有ハードウェア、地域配置、接続とネットワーク層のDDoS対策は供給側が担う。一方、マッチング、サーバー群の制御、チート対策の運用、アプリケーションの安全性、ゲームサービスの稼働はスタジオ側に残る。

これはゲーム全体の運用を任せる契約としての説明ではない。発表は、適した中核処理に専用基盤、配信側に提携CDN、突発需要やGPU処理にスタジオ自身のクラウドを使う混成型も挙げる。単純なパブリッククラウド撤退論とは異なる。

「常時稼働」の内訳を見る

処理 買い手が決めること
ビルドや素材処理 納期まで待たせたり別の場所に移したりできるか
アカウントと本番バックエンド 閑散時にも必要な基礎容量と冗長性は何か
リアルタイム対戦 プレイヤーの到着前に、どこへ待機容量を置くか

空き容量には目的がある場合もある。AgonesのFleet Autoscaler文書は、割り当て済みのゲームサーバーとは別に、利用可能な状態のサーバーを余力として維持する方法を示す。これは待機方針の具体例であり、HivelocityがAgonesを採用している証拠ではない。

必要な余力まで削れば、帳簿上の利用率は上がっても、プレイヤーの待ち時間が増えるかもしれない。他方、近い将来に使う見込みのない容量を同じ「余力」と呼べば、過剰配置を見逃す。

インスタンス削減と支払い削減は別

Agonesの配置と自動拡縮に関する説明は、ゲームサーバー群の規模と、その下にあるノードの拡縮を区別する。後者には基盤側の設定が必要だ。ゲーム用プロセスを減らしただけで、有料の物理サーバーを返却できたとはいえない。請求と解放の条件は別途確認すべきである。

地域ごとの偏りも重要になる。ある都市の空きマシンが、時延条件を守ったまま別の都市の需要を受けられるとは限らない。全体の平均値が良くても、一方では待ち行列、他方では長い空き時間という状態があり得る。

ネットワークにも上限がある。発表にある10 Gbpsの転送量非従量制ポートは、適した負荷向けの選択肢であり、全サーバーの標準仕様とはされていない。Hivelocityの説明では、転送量に応じた超過請求がなくても、流せる速度はポート容量に制限される。パッチ配信と対戦通信の制約が同じになるわけではない。

資料は共通のパッケージ価格、実測の費用削減、検証済みの時延を示していない。固定費が同じなら、有効に使えた時間が減るほど、その時間当たりの費用は増える。これは条件付きの計算であり、顧客実績の主張ではない。