要約
- DOCOMO は4G、5G、5G-Advanced 向けに Ericsson RAN Compute を選定した。
- Ericsson は集中型 RAN と将来の AI ネイティブ網の基盤と位置づける。
- 容量は前世代の最大2倍とする。
- エネルギー使用は半分未満とするが、比較条件は記事で示されていない。
- DOCOMO はトラフィック増と通信品質のため処理能力が必要だと説明した。
- 金額、台数、機種、地域、日程、実測効果は不明である。
多世代を一つの計算基盤で支える意味
5G が進んでも4G は長く残る。複数の世代、周波数、ソフトウェア版を同時に扱える計算基盤は、予備品や運用手順の分散を抑え得る。
一方、共通化は供給者依存も強める。保守期間、ライセンス、更新頻度、他社機器との接続性が長期費用を決める。
今回の機器が既設を置き換えるのか、増設なのか、一部の集中拠点だけなのかは明らかでない。移行規模の判断には不可欠な情報だ。
アンテナだけでは容量を作れない
ベースバンドは無線資源を割り当て、信号を処理し、Massive MIMO を協調させる。計算が不足すれば、周波数やアンテナがあっても処理できない。
RAN 設計部門の Masafumi Masuda は、トラフィック需要に応えながら品質を高めるための処理能力と説明した。
これは必要条件の説明であり、通信速度や品質が既に改善したことを示す測定ではない。
「最大2倍」の試験条件が要る
容量が小区数なのか処理量なのか、どの機能を有効にした比較なのかで意味が変わる。「最大」は特定条件での上限を示す。
エネルギー半減も、機器単体と集中拠点全体では違う。冷却や伝送装置を含めなければ、移した消費を削減と見誤る可能性がある。
方法と現場値が出るまでは、Ericsson の主張として扱う必要がある。
集中化は余力と障害範囲を同時に変える
計算資源をまとめれば、複数エリアで余力を共有し、遊休を減らせる。保守とソフト更新も集約しやすい。
その代わり、低遅延で信頼性の高い伝送、集中設備の電力と冷却、十分な冗長化が要る。
一カ所の効率が高くても、障害時に多くの基地局へ影響すれば、運用品質は別の問題になる。
AI ネイティブは将来機能の余地
Ericsson は、RAN Compute が AI ネイティブ網の土台になるとする。最適化や異常検知を無線処理に近い場所で動かす余地は広がる。
ただし、DOCOMO が選定機器上で本番 AI を動かしているとは報じられていない。無線機能と AI へ割り当てる資源も不明だ。
実用例、権限、失敗時の復帰、遅延、品質効果が示されて初めて、基盤準備から運用へ移ったと判断できる。
現場の指標が投資の価値を決める
両社は2025年12月にも Massive MIMO を展開しており、今回の選定は協力を処理層へ広げる。
しかし台数と日程がなければ対象範囲は分からず、価格がなければ容量当たり費用も分からない。
同じ負荷での処理量、1テラバイト当たり電力、計算余力、障害、運用費の比較が必要だ。選定は確定したが、効果の検証はこれからである。

