要約

  • Broadpeakによると、YouCastはブラジルの一部のインターネット接続事業者のネットワーク内に七つのHyperPoPを設置した。各拠点の容量は1 Tbpsを超えるとしている。
  • 設備の容量、配信したデータ量の料金、ライブのために予約した帯域は別の数字だ。購入判断には対象網と時間帯の確認が欠かせない。

「何時から何時まで、どのネットワークで使えるのか」。ライブ配信の担当者にとって、この短い質問は国全体の容量を示す大きな数字より役に立つ。観客は月間平均に合わせて接続してくれるわけではないからだ。

Broadpeakの9月3日の発表では、YouCastがブラジルの選定された接続事業者の網内に七つのHyperPoPを展開した。供給者が示す各拠点の容量は1 Tbps超。EdgePeakを基盤とし、broadpeak.ioを通じてCDNaaSを提供する。これは配信拠点の拡張であって、七拠点の合計が特定の番組に確保されたという発表ではない。

視聴者のいる網に届くか

接続事業者の網内にあるキャッシュから映像を配信すれば、網外から映像を運ぶ経路の一部を避けられる場合がある。ただし、価値を持つのは視聴者が利用する網にある容量だ。別の網に空きがあっても、その数字を足すだけで同じ視聴者への配信保証になるわけではない。

Broadpeakは4月のサービス解説で、一部市場における網内配信と帯域保証付き予約を説明している。そこでは容量だけでなく、時間やネットワークの範囲が重要になる。事前の確認は、容量が設定され、確保を約束されたことを示すという。

この説明から予約の考え方は分かる。しかし、ブラジルの全新設拠点に同じ予約条件が適用されるとは判断できない。視聴端末までの経路全体に無条件の保証があるとも読めない。今回の発表には接続事業者名、市別の配置、稼働率、顧客別の割当量、ライブ実績の測定値、契約上の救済措置がない。公開情報がないことと、そうした仕組みが存在しないことは区別すべきだ。

TB単価では買える範囲が決まらない

現在の料金表は、Adaptive Streaming CDNの従量制料金を1 TB当たり$30と表示している。プラン情報には月額最低$200、同時セッション数は最大10,000とある。Enterpriseは個別見積もりだ。この表は、ブラジルの特定網でライブの時間枠を予約する価格を示してはいない。

データ量の単価は、配信量に応じた費用の見積もりに使える。一方、ピーク対策の注文書には、対象網、時刻、確保するスループットが要る。両者を同じ商品として比べれば、引き受ける範囲の違いが単なる値引きに見えてしまう。

YouCastは現地の展開と接続事業者との関係を担う。その経営者はEdgioとの以前の提携で得た分散映像配信の経験に言及しているが、発表はEdgio資産の買収を告げていない。また、イベント準備、容量計画、運用監視、終了後の監査を行うNOCサービスは任意の追加サービスだ。配信容量を買えば運用支援まで自動的に付くとは限らない。

資料から確認できる範囲

発表、サービス解説、料金表はいずれも供給者の資料である。ブラジルの第三者による性能検証、顧客の請求実績、新規売上を裏付けるものではない。今回増えたのは現地配信の選択肢だ。それをライブの確実性へ変えるには、どの網で、いつ、何を確保できるかという個別の確認が必要になる。