要約

  • AS17494はAPNIC配下のASとして2000年12月7日に割り当てられ、レジストリ組織はORG-BTTB1-APすなわちBangladesh Telegraph & Telephone Boardである一方、PeeringDBは組織名をBTCLとして自己申告している(APNIC whois、PeeringDB)。
  • このレジストリのabuse連絡先には、APNIC自身のremarkで「無効」と明記されており、審問・不正対応の窓口が機能していない可能性を直接示す(APNIC whois)。
  • ルーティング規模は大きいが、トラッカー間で数値が大きく乖離する。bgp.he.netは49プレフィックス originate・388ピア観測、bgp.toolsは34 IPv4+3 IPv6 originate・354ピアと報告する(bgp.he.net、bgp.tools)。
  • IPinfoも名称欄に「Telecom Operator & Internet Service Provider as well」をそのまま表示しており、集計ツールがレジストリの自由記述行に依存している構造を可視化している(IPinfo)。
  • したがって、外部のcounterpartyが依拠できる「運営主体」の確定名は現時点の公開記録では一つに定まらず、レジストリ組織オブジェクトと自己申告PeeringDB情報の双方を併読するほかない。

名前の層構造:記述行・旧機関名・自己申告

APNIC whoisのaut-numオブジェクトAS17494には、descr行として「Telecom Operator & Internet Service Provider as well」と「Bangladesh Telegraph & Telephone Board(BTTB)」が並び、as-nameはBTTB-AS-AP、組織はORG-BTTB1-AP、最終更新は2021年1月18日である(APNIC whois)。同一の関連オブジェクトIRT-BTTB-BDの住所欄には「Bangladesh Telecommunications Company Ltd, Moghbazar Telephone Bhaban, Dhaka」と記され、旧機関名と現法人名が同一オブジェクト群に混在している。通知先アドレスもbttb.net.bdとbtcl.net.bdの両ドメインにまたがる。つまりレジストリ内部でさえ、運営主体の呼称が単一に収束していない。

一方、PeeringDBは組織名を「Bangladesh Telecommunications Company Limited(BTCL)」とし、ウェブサイトはbtcl.gov.bd、IRR as-set AS17494:AS-CUSTOMERS(Verified)、トラフィック水準500〜1000 Gbps、パブリックピアリングはAMS-IX、DE-CIX Mumbai、Equinix Singapore、LINX LON1、ピアリング情報更新2026年4月24日、RIR status okと報告している(PeeringDB)。これは自己申告データであり、レジストリ名義を上書きする効力はないが、運用上の相手側インターフェース(ピアリング申請先など)はこちらに寄る。

運用実態:規模は大きく、品質指標は混在

bgp.he.netは、AS17494が49プレフィックス(v4で36、v6で13)を originateし、729をannounce、388のBGPピアを観測、 originateするIPv4アドレスは75,520、IX参加はAMS-IX、DE-CIX Mumbai、Equinix Singapore、LINX LON1の4拠点、RPKI originの状態は37件がvalid、12件がinvalidと報じる(bgp.he.net)。bgp.toolsは originateを34 IPv4+3 IPv6、ピア354、アップストリーム7(Airtel AS9498、TATA AS6453、Cogent AS174、Sparkle AS6762、NTT AS2914、PCCW AS3491、Arelion AS1299)、ダウンストリーム58、コーン278、ネットワークタイプ「Eyeball」とし、IX回線速度はEquinix Singaporeが100 Gbps、AMS-IX・DE-CIX Mumbai・LINX LON1が10 Gbpsとする(bgp.tools)。両者で originate数とピア数が大幅に異なり、単一の「正しい」カウントは観測点依存である。

第三のツールbgp.gibir.net.trはAS17494をBTCLと結び付け、66ピア・23ネットワークという、他より一桁以上小さい数値を提示する(GIBIRNet)。ピア集合にはAS45588 BTCL、AS63961 BdREN、AS17806 Mango Teleservices、AS2914 NTT、AS1299 Arelionが含まれる。IPinfoは名称欄に「Telecom Operator & Internet Service Provider as well」をそのまま表示し、国Bangladesh、ウェブサイトbtcl.gov.bd、APNICレジストリ、割当2000年12月7日、最終更新2021年1月18日、IPv4アドレス75,264と報告する(IPinfo)。75,264という数値はHEの75,520とも異なる。

何が依拠可能か

ピアリング上の実務的な依拠先はPeeringDBの自己申告(組織BTCL、as-set AS17494:AS-CUSTOMERS、4つのIX)であり、法的・契約上の名義はAPNICの組織オブジェクト(ORG-BTTB1-AP、旧機関名BTTB)である。両者の乖離自体が、デューデリジェンスにおける確認事項になる。審問・不正報告の窓口については、レジストリ記載のabuse連絡先がAPNIC自身のremarkで「無効」とされており、レジストリに残る連絡先はそのままでは機能しない(APNIC whois)。RPKIの12件invalidという値は、この名前の曖昧さと併せて運用品質の観察対象となる(bgp.he.net)。