要約

  • 10月8日の説明会でVodafoneThreeは、10年間で110億ポンドを投じる英国ネットワーク計画に、FY32までに営業フリーキャッシュフローをFY25の3倍超とし、税引前ROCEを資本コスト以上にする目標を添えた。FY34には資本コストを大きく上回る水準を目指す。
  • 途中の節目はFY27の設備投資ピーク、FY30の年8億ポンド、FY32の年10億ポンドという削減目標だ。いずれも実績ではなく会社の計画である。

投資額の大きさは、資本がいつ、どの程度の収益を生むかとは別の問いだ。VodafoneThreeは10月8日の発表で、10年間のネットワーク投資計画を、資本コストとの比較が可能な目標へ結び付けた。のれんを含む税引前の投下資本利益率(ROCE)はFY32までに資本コストを超え、FY34には「大幅に」上回るとの見通しを示している。

ただし、支出と効果の時期にはずれがある。投資家向け説明資料はFY27を設備投資のピークとし、その後の減少を想定する。年次削減目標は従来のFY30までの7億ポンドからFY32までの10億ポンドへ上がり、FY30に8億ポンドを見込む。ネットワーク建設の完了、設備・拠点の合理化、グループによる完全所有が後年の削減要因として挙げられた。一方、投資を前倒しする初期には設備投資の不利益が生じるという。

削減額をそのまま手元資金と見なすことはできない。Vodafoneは営業フリーキャッシュフローを、調整後EBITDAaLから設備投資額を差し引いたものと定義し、FY32にFY25比3倍超を目標とする。説明資料はFY29からフリーキャッシュフローが増加に寄与するとしている。2025年の合併完了時の発表にも年7億ポンドの費用・設備投資シナジーとFY29以降のFCF押し上げがあった。今回変わったのは節減目標の規模と期限であり、資本利益率の判定時点が加わった。

見るべき数字は、削減の年率、調整後EBITDAaLの成長、設備投資控除後の現金、資本利益率の四つだ。Vodafoneは目標が利益予想ではなく、削減額は達成できない可能性も、時期や規模が変わる可能性もあると明記する。非GAAP指標は他社の同名指標と比較できるとは限らない。

次に必要なのは、建設の進捗から資本収益までをつなぐ説明だ。年間の設備投資、運営費と設備投資それぞれの節減、統合費用の残り、増えた容量の収益化を確かめたい。7月の完全子会社化発表では、全株保有が意思決定を速めると説明された。それが実際の成果につながるかは別途検証が要る。現段階で投資家が得たのは判定基準であって、投資回収の結論ではない。