- Omdia は2025年第4四半期の5G パケットコア投資が前年同期比83%増えたと報告した。
- 北米と欧州・中東・アフリカが成長を主導したが、コア投資が RAN 投資より速く伸びたことを示すデータではない。
- 5G SA の商用開始は増えているものの、開始、カバレッジ、実利用者、商用サービス、収益は別の指標だ。
83%は一つの四半期を示す数字
Omdia の2026年3月19日発表によると、通信事業者の5G パケットコア投資は2025年第4四半期に前年同期比83%増えた。北米と EMEA が成長地域を主導した。Omdia は当時、5G スタンドアロン(SA)を商用開始した事業者を88社と数え、2026年のコア投資も力強い2桁成長になると予測した。
ただし範囲を広げて解釈できない。この数字は一四半期、一製品分類、一回の前年比較を示す。Omdia もTelecoms.com の分析も、関連資料で投資総額、複数年の系列、コアと RAN の成長率比較を公表していない。したがって「コア支出が RAN より速く増えている」という結論は出せない。
SA がコアへの購入を必要とする理由
3GPP は二つの構成を区別する。NSA では5G 無線が4G の EPC に接続する。SA では New Radio がサービスベースアーキテクチャの5G コアにつながる。移行には認証、セッション、モビリティ、ポリシー、ユーザープレーン、スライス選択の新しい機能が要る。
SA コアはネットワークスライシング、モジュール型ネットワーク機能、柔軟なユーザープレーン配置を可能にする。しかし可能性は、広域導入や採算性と同義ではない。スライスには無線・伝送資源、ポリシー、サービス保証、対応端末と料金プラン、セキュリティ、支払う顧客も必要だ。
開始数は日付と定義で変わる
Omdia は3月19日に88件を報告した。GSA は3月末時点で95件の SA サービスを数えた。2025年第1四半期から42%増で、何らかの5G を開始した392事業者の一部だ。差は締め日、サービスの定義、データベースへの追加で生じ得る。どちらも人口カバレッジ、SA コアへの接続端末、トラフィック、稼働スライス、収益は測らない。
Opensignal は実測された SA 信号を比較した。2025年末の人口居住地点における検出率は米国57%、豪州40%、インド36%、日本約10%と大きく異なった。実測可用性は開始数とは交換できない指標であり、全国開始の発表だけでは日常の利用可能性を判断できない。
収益化は別の検証項目
Omdia は投資を新収益の追求と結び、AT&T の SA・RedCap 展開と Verizon の法人向け FWA スライスを挙げた。これは設備と商品例であり、財務成果ではない。後続のEricsson による2026年6月の更新は、スライシングを使う差別化接続の商用提供が2025年11月の65件から84件に増えたとしたが、売上高、利益率、加入者、利用率を示していない。
投資回収には、設備投資、稼働開始、対応カバレッジと端末、接続利用者、SA トラフィック、スライス契約、価格、実現したサービス品質、運用費、増分収益を分ける必要がある。83%が示すのは最初の段階だ。
統合も大きなコスト要因
GSMA Intelligence の障壁調査では、2024年の回答事業者の26%が技術成熟度、19%が統合の難しさを SA 最大の障壁とした。マルチベンダー構成は選択肢を広げる一方、インターフェース、試験、責任分界を増やす。クラウドネイティブコアにはオーケストレーション、可観測性、耐障害性、ソフトウェア技能、API セキュリティも必要だ。
スライシングは制御面も広げる。3GPP はスライス単位の認可を説明する。一つのスライスに認可された機能が別のスライスにアクセスしないためだ。識別、ポリシー、機能配置、分離、サービス水準を複数ドメインで整合させる必要があり、ソフトウェア化だけで総費用は下がらない。
ベンダー市場は RAN 対コアではない
Omdia は第4四半期のコア市場シェア上位を Huawei、Ericsson、Nokia、ZTE、Cisco とした。これは一分類・一期間の順位で、RAN ベンダーの後退を示さない。複数社は無線、コア、ソフトウェアを併売している。価値移転には部門別収益、長期シェア、利益率の比較が要る。
今後確認すべき指標
四半期・年次のコア市場成長、絶対投資額、地域構成、クラウドネイティブ比率、SA 加入者とトラフィック、カバレッジの深さ、契約スライス、サービス別収益・費用、移行障害を追う必要がある。これらがそろうまで、2025年第4四半期が示すのは5G コア購入の加速であり、世界的な RAN からコアへの転換や収益化の完成ではない。

