• GridAssist は蓄電池と電力変換を組み合わせ、GridLink AC は中電圧 UPS を使って大規模データセンターの負荷を電力網から切り離す
  • GridLink DC は2027年の導入を予定し、次世代 AI データセンター向けの800VDC 電源を対象とする

事実

SMA Solar Technology は8月26日、AI およびハイパースケールデータセンター向けの3部構成の電源ポートフォリオを発表した。Large Scale and Project Solutions 事業をデータセンター市場へ拡大する。GridAssist は系統接続サイト向けに蓄電池、電力変換、制御を組み合わせる一方、GridLink AC は中電圧 UPS アーキテクチャを使い、大規模データセンターの負荷を電力網から切り離す。

SMA America によると、同社の電力変換・蓄電システムは、単独運転またはマイクログリッドのサイトにも対応できる。インバーター制御により、コンピューティング負荷の急激な変化が発電機に達する前に平準化する。同社は、これによって発電機の運転サイクルを減らし、運用効率を高められるとしている。3番目の製品である GridLink DC は2027年の導入を予定しており、次世代 AI インフラ向けの800VDC 電源を中心に設計されている。SMA は、新たなポートフォリオを使用する顧客やデータセンタープロジェクトの名称を公表していない。

評価

十分なメガワット数の確保は、AI データセンターが抱える電力問題の一部にすぎない。アクセラレーターの負荷は急速に変化する可能性があり、単独運転システムでは、その変動がそのまま発電機に伝わる。SMA は蓄電池とインバーター制御を使い、負荷が発電機に達する前に平準化する。

これは、単独運転またはマイクログリッド電源を検討する開発事業者にとって重要だ。蓄電・電力変換設備は、サイトのピーク需要だけでなく、コンピューティング負荷の変動特性に合わせて設計する必要がある。需要が平準化されれば、発電機に求められる急速な出力調整を減らし、より安定した運転に役立つ可能性がある。

したがって BTW の読者にとって、電力確保までの速さは発電設備の確保だけを意味しない。サイトには、AI 需要の急激な変化に対応し、その負担をすべて電力網や敷地内の発電機へ転嫁しない電源システムも必要になる。

注目点

GridAssist または GridLink AC を使用する米国のデータセンタープロジェクト名が公表されるかに注目したい。特に、蓄電池容量、発電機構成、系統連系要件を開示する導入事例が重要になる。2027年に予定されている GridLink DC の導入も、もう一つの試金石となる。顧客による採用と技術仕様によって、SMA のポートフォリオが製品提案の段階から、実際に導入された AI インフラへ移行するかが示される。