要約

  • 投票前の最終委任状は、14,335,221株がすでにロールオーバー対象であり、現金対価を約2億3,650万ドル減らすと説明していた。
  • 6月26日の特別総会では、全発行済株式の79.88%超、コンソーシアム非関係者が持つ株式の76.64%超が合併を支持した。
  • その後、特別委員会の承認を経て、53投資家が6月30日付の追加契約に参加し、非制限株式3,844,152株を拠出した。
  • この株数を16.50ドルで掛けると63,428,508ドルになる。ただし、これは受け取らなかった現金の計算であり、非公開Class Aユニットの価値ではない。
  • 追加参加者は、当面公開市場が見込まれず、無期限保有や全損に耐えられることを前提とする非登録持分を受け取った。
  • クロージング時の現金購入価格は約17億ドルで、Select Medical Corporationには10億ドルの追加タームローンが入った。完全な資金使途表や最終持株比率表は開示されていない。

この取引を読むとき、最初に置くべき問いは「企業価値はいくらか」ではない。「16.50ドルを受け取ったのはどの株で、受け取らずに残ったのはどの株か」である。価格の確定と、退出・残留の名簿の確定は同じ日には起きなかった。

最終委任状では、ロールオーバー株式などを除く適格株式が効力発生時に無利息で1株16.50ドルの現金へ転換されるとされた。すでに14,335,221株がロールオーバーを約束され、現金必要額を約2億3,650万ドル減らす計算だった。厳密な積は236,531,146.50ドルである。

一方、委任状は参加者追加の手続きを残した。特別委員会の事前書面承認があれば、同委員会の委員を除く経営陣や取締役会の構成員を招くことができる。追加ロールオーバーはWCASのエクイティ拠出またはクロージング時の負債を減らし得るとも記されていた。つまり、株主全員に開かれた選択肢ではなく、承認者のいる選抜枠だった。

投票結果にない53の口座

6月26日には発行済株式のおよそ82.54%が投票された。投票結果のForm 8-Kによれば、全発行済株式の79.88%超が賛成し、コンソーシアムと関係のない保有者の株式でも76.64%超が賛成した。合併承認の記録としては明瞭である。

ただし、そこには後から残留を選ぶ口座の一覧はない。最終Schedule 13E-3は、総会での承認後、さらに特別委員会の承認を経て、一部の株主が招待されたと説明する。Parent、Group Parentと追加投資家が追加ロールオーバー契約を結んだのは6月30日だった。

Schedule Iを数えると53投資家、非制限株式3,844,152株となる。記載には経営者や取締役だけでなく、家族信託や家族名義の口座もある。したがって53人全員を「幹部」とするのは、原資料より狭い呼び方である。

投票した株主は、追加枠が存在し、資金調達構成に影響することは知っていた。しかし、具体的な53の名義と株数は投票後に確定した。合併を進める多数決と、非公開会社に残れる者の選定は、別々の統治行為として扱う必要がある。

6,342万8,508ドルは比較の物差しにすぎない

3,844,152株に16.50ドルを掛ければ63,428,508ドルになる。現金枠に残っていれば受け取れた金額である。実際には、参加者は現金対価を放棄し、株式を中間親会社へ拠出し、その先で非公開親会社のClass Aユニットを受け取った。

契約は、この交換が現金と同等の流動性を持たないことを明記する。交換持分について近い将来の公開市場は想定されない。投資家は無期限保有と全損に耐えられること、適格投資家の条件を満たすことを表明し、クロージング後の連結債務が大幅に増える可能性も認識する。

ゆえに63,428,508ドルは、非公開ユニットの時価ではない。放棄した現金を測る反実仮想であり、将来の売却額、割引率、退出時期について何も保証しない。

投票前の14,335,221株と、後日の3,844,152株を単純に足すことも避けるべきだ。制限株式や当初契約の修正により、開示範囲は同一ではない。後から枠が広がった事実は確認できるが、その和を最終総数と呼ぶ根拠はない。

10億ドルは事業会社側の記録

クロージングForm 8-Kでは、非ロールオーバーの適格株式が16.50ドルの現金に転換された。ロールオーバー株式は先に親会社構造へ拠出されていたため、合併で消却されても二重に現金を受け取らない。現金対象株式の総購入価格は約17億ドルとされた。

同じ日にSelect Medical Holdings CorporationとSelect Medical Corporationは信用契約修正第12号を締結し、既存契約に10億ドルの追加タームローンを設けた。非公開ユニットは親会社側、借入債務は事業会社側に置かれる。

委任状段階では、手数料・費用を含む必要現金は約18億9,450万ドル、WCASの出資約束は最大8億8,000万ドル、債務約束は最大10億ドルだった。既存のタームローン枠、リボルバー、シニアノートも存続予定だった。枠の上限、元本、見込額、支払対価を足しても、正確な取引価値や純有利子負債にはならない。

公開資料には全項目を照合できる資金使途表がない。新規借入のうち株式取得、費用、借換えなどにいくら使ったかを精密に割り当てることはできない。その不足は推測で埋めず、三つの台帳を分けたまま残すべきである。

非公開化で変わるのは情報の頻度でもある

提出済みクロージング発表は、コンソーシアムが実効的・業務上の支配を保ち、クロージング後の経済的持分の過半を持つとする。Robert A. OrtenzioやMartin F. Jacksonら現経営陣も続投した。しかし、各スポンサーと各ロールオーバー参加者の完全な比率は示されない。

上場取引の終了と登録廃止により、今後の所有権移転や借入変動を追う定期的な窓は小さくなる。価格16.50ドルは過去の退出条件として固定される一方、将来の資本構成は見えにくくなる。

この案件で重要なのは、投票後にも選択が続いたという公開記録である。固定価格は固定された範囲にしか効かない。現金、非公開持分、事業会社の負債を別々に追うことで、初めてクロージングの経済状態が見える。

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